「時制の一致」を難しく感じる人もいるかもしれないが、それは日本語の曖昧さが原因の一つになっている。

直接話法と間接話法それぞれに合わせて忠実に表現しているのが英語で、どちらも区別なく同じように表現しているのが日本語です。どのあたりが曖昧なのか、この機会にはっきりさせておくといい。

10数年間、中高生に英語を指導しているライターヤマトススムと一緒に解説していきます。

ライター/ヤマトススム

10数年の学習指導の経験があり、とくに英語と国語を得意とする。これまで生徒たちを難関高校や難関大学に導いてきた。

主節の時制ごとに見ていこう

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主節と従属節で構成される文において、従属節の時制を主節の時制に合わせることを「時制の一致」と言います。時制の一致に該当しない場合も含めて、主節が現在形のときと過去形のときに分けて見ていきましょう。

主節の動詞が現在形の場合

まずは、主節が現在形の場合です。主節が現在形の場合、従属節は現在形、過去形、未来形、現在完了形などが考えられます。ただ、主節が現在形であれば、従属節がどの時制であっても意味は成り立つので時制の一致には該当しません

また、助動詞を含む文や進行形でも、考え方は同じで必要に応じて時制の一致を受けます。

He says that he feels good.(彼は気分がよいと言っている)

He says that he felt good.(彼は気分がよかったと言っている)

He says that he will feel good tomorrow.(彼は明日は気分がよいだろうと言っている)

He says that he have felt good since yesterday.(彼は昨日から気分がよかったと言っている)

主節の動詞が過去形の場合

次は、主節の動詞が過去形の場合です。この場合は、時制の一致に該当するケースが出てきます。主節が過去形なら、当時現在形で言ったことでも今となっては過去のことですから、時制を一致させて過去形で表しますよ。ここが日本語では、現在のままで表現することが多いので混乱しがちです。

She said that she was busy.(彼女は忙しいと言った)

 →日本語の現在形で「忙しい」に対し、過去の出来事なので英語では時制の一致を受ける

She said that she would be busy.(彼女は忙しくなるだろうと言った)

 →当時からすると未来でも、過去の言動は時制の一致を受けて過去形に

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注意が必要なケースを見ていこう

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「時制の一致」の注意が必要なケースについて見ていきます。従属節に過去完了形を使うケースや主節の時制にかかわらず現在形となるケースなど、例外の場合について確認しておきましょう。

従属節に過去完了形を含む場合

一つめは、主節が過去形で従属節に過去完了形を含む場合です。この場合の過去完了形「had + 動詞の過去分詞形」は、完了の意味合いはなく主節の過去形よりもさらに古い過去の出来事であると区別するためのものになります。例文を見ながら確認してみましょう。

Bill said that he had written a blog.(ビルはブログを書いたと言った)

 →「ブログを書いた」のが「言った」より古くと時間差がある

I knew that you were a mathematics teacher.(私はあなたが数学の先生だったと知った)

 →「数学の先生だった」のは「知った」ときより古い

時制の一致の例外

二つめは、「時制の一致」の例外です。真理や格言、習慣などが従属節にある場合は、時制の一致を受けずにそのまま現在形となります。歴史上の事実なら過去形のままですね。これらについては、現在形以外になると意味をなさなくなってしまうからです。

The teacher said that the sun sets in the west.
先生が太陽は西に沈むと言った。

He said that he have free English conversation lessons every day.
彼は毎日無料の英会話レッスンを受けていると言った。

The history teacher said that Tokyo-to was established in 1943.
歴史の先生が東京都は1943年に設置されたと言った。

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「時制の一致」の原則では英語と日本語の違いに注目しよう!

今回の記事では、「時制の一致」について説明してきました。原則的には、主節が過去であり従属節が同時の出来事なら「時制の一致」を受けて過去形になるということでした。

また、「時制の一致」を受けないケースとして、真理や格言、習慣などは現在形、歴史上の事実は過去形でした。時制の基本的な考え方の通りになっていることを再確認しておくといいですね。

英語の勉強には洋楽の和訳サイトもおすすめです。
" /> 【英語】「時制の一致」を現役塾講師が詳しくわかりやすく解説!時制の一致の要否と例外をチェック – Study-Z
英語の勉強法

【英語】「時制の一致」を現役塾講師が詳しくわかりやすく解説!時制の一致の要否と例外をチェック

「時制の一致」を難しく感じる人もいるかもしれないが、それは日本語の曖昧さが原因の一つになっている。

直接話法と間接話法それぞれに合わせて忠実に表現しているのが英語で、どちらも区別なく同じように表現しているのが日本語です。どのあたりが曖昧なのか、この機会にはっきりさせておくといい。

10数年間、中高生に英語を指導しているライターヤマトススムと一緒に解説していきます。

ライター/ヤマトススム

10数年の学習指導の経験があり、とくに英語と国語を得意とする。これまで生徒たちを難関高校や難関大学に導いてきた。

主節の時制ごとに見ていこう

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主節と従属節で構成される文において、従属節の時制を主節の時制に合わせることを「時制の一致」と言います。時制の一致に該当しない場合も含めて、主節が現在形のときと過去形のときに分けて見ていきましょう。

主節の動詞が現在形の場合

まずは、主節が現在形の場合です。主節が現在形の場合、従属節は現在形、過去形、未来形、現在完了形などが考えられます。ただ、主節が現在形であれば、従属節がどの時制であっても意味は成り立つので時制の一致には該当しません

また、助動詞を含む文や進行形でも、考え方は同じで必要に応じて時制の一致を受けます。

He says that he feels good.(彼は気分がよいと言っている)

He says that he felt good.(彼は気分がよかったと言っている)

He says that he will feel good tomorrow.(彼は明日は気分がよいだろうと言っている)

He says that he have felt good since yesterday.(彼は昨日から気分がよかったと言っている)

主節の動詞が過去形の場合

次は、主節の動詞が過去形の場合です。この場合は、時制の一致に該当するケースが出てきます。主節が過去形なら、当時現在形で言ったことでも今となっては過去のことですから、時制を一致させて過去形で表しますよ。ここが日本語では、現在のままで表現することが多いので混乱しがちです。

She said that she was busy.(彼女は忙しいと言った)

 →日本語の現在形で「忙しい」に対し、過去の出来事なので英語では時制の一致を受ける

She said that she would be busy.(彼女は忙しくなるだろうと言った)

 →当時からすると未来でも、過去の言動は時制の一致を受けて過去形に

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