化学物質の状態・構成・変化理科

酸や塩基の濃度がわかる「中和反応」について元研究員が解説

2-1.器具と使い方

2-1.器具と使い方

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中和滴定では正確な水素イオン濃度(または水酸化物イオン濃度)が必要なので、正確に量り取ったり希釈(薄めること)したりできる実験器具を使います。

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(a)ホールピペット

正確な一定の体積を量るための器具で、体積を量りたい溶液で中をすすぎ(共洗いと言います)濡れたまま使用します

(b)メスフラスコ

正確な濃度の溶液をつくるため、一定の体積の水溶液をつくる器具蒸留水ですすぎ、乾燥させて使用します。このとき加熱乾燥機などをつかうと、ガラスの膨張や収縮により容量が変わってしまう恐れがあるので、必ず室温で乾燥させてください。

(c)ビーカー(コニカルビーカー)

蒸留水ですすいだ後濡れたまま使います。濃度がわからない酸(または塩基)をホールピペットで正確な体積を量り入れましょう。コニカルビーカーの方が口がすぼまっているので、混ぜるときにこぼれにくいです。

(d)ビュレット

濃度がわかっている塩基(または酸)を入れて、コックを少しずつ開けることで滴下した量が正確にわかる器具。共洗いして濡れたまま使用します。

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2-2.中和滴定の操作

では実際に中和滴定をしてみましょう。例として、濃度のわからない塩酸(HCl)の濃度を0.10mol/Lの水酸化ナトリウム溶液(NaOH)を投入して中和する中和滴定をしてみます。

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1. 濃度のわからない塩酸を共洗いした10mLホールピペットで、正確に10mL量り取る。

2. 1.を乾燥した100mLメスフラスコに入れる。

3. メスフラスコの標線の少し下まで蒸留水を入れ、栓をして混ぜ合わせる。

4. メスフラスコの栓を開け、標線まで蒸留水を入れて再び栓をして混ぜ合わせる。

5. 1.とは別の10mLホールピペットを4.の水溶液で共洗いする。

6. 5.で4.の水溶液を正確に10mL量り取り、ビーカー(コニカルビーカー)に入れる。

7. 6.のビーカーに指示薬としてフェノールフタレイン溶液を2~3滴入れる。

8. 共洗いしたビュレットに0.10mol/Lの水酸化ナトリウム溶液を入れ、液面を0に合わせる

9. 7.のビーカーをビュレットの下に置き、ビュレットのコックをひねって少しずつ水酸化ナトリウム溶液を滴下する。

10. 滴下するたびに混合し、指示薬であるフェノールフタレイン溶液の反応で液全体が透明から赤紫色に変わった所のビュレットの目盛りを読む。(ここでは8.2mLとします。)

※濃度のわからない塩酸を1/10に薄めてから滴定したのは、濃度が濃すぎると水酸化ナトリウムをたくさん入れてもなかなか中和せず、滴定が終了しないためです。

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2-3.指示薬について

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上の中和滴定では指示薬としてフェノールフタレイン溶液を使用しました。指示薬っていったい何でしょうか?

指示薬とは色の変化でpHの変化を示す物質のことです。例えばフェノールフタレイン溶液は、pHが8.3以下の時は無色(透明)ですがpHが10以上になると赤紫色に変色します。変色によって溶液が完全に中和したことを知ることができるのです。

この他に中和滴定に使用する指示薬にメチルオレンジ(変色域pH3.3~4.4)があります。メチルオレンジはpH3.3以下で黄色を示し、pH4.4以上で赤色になるのです。この2つは変色域が異なるので使い分けなければいけません。

この指示薬の選定は2-5.中和滴定曲線にも関わるので、そこでも解説します。

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2-4.中和滴定の計算

2-4.中和滴定の計算

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では2-2.で行った中和滴定の計算をしてみましょう。

塩酸に水酸化ナトリウム溶液を滴下し、フェノールフタレインが赤紫色に変色したという事は、塩酸中にあった水素イオンが完全に水酸化ナトリウム溶液中の水酸化物イオンとくっついた(=中和した)ということです。

この時の水素イオンの量と水酸化物イオンの量は必ず等しくなります。この事を利用して濃度のわからない塩酸の濃度を求めていきましょう。

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wing1982