熱力学物理理科

「熱効率」と熱力学第二法則の関係を理系ライターがわかりやすく解説

よぉ、桜木健二だ。熱力学第一法則の話は理解したか?第一種永久機関は絶対ないだろう・・・というのはいいか?

熱現象というのはとらえどころがないように思えて、熱力学ってなんだかアバウトじゃね?なんて思ってるキミ。この記事を読んで熱力学は非常に精緻にできていることをわかってくれ。

じゃあ、熱効率と熱力第第二法則、第二種永久機関についてタッケさんと解説していくぞ。

解説/桜木建二

「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。

ライター/タッケ

物理学全般に興味をもつ理系ライター。理学の博士号を持つ。専門は物性物理関係。高校で物理を教えていたという一面も持つ。第1種永久機関が不可能なのは子供でもわかるレベルだが、第2種永久機関は熱力学第1法則に反していないのでわかりにくい。真剣に研究している人もいるとのこと。

熱効率と永久機関

image by iStockphoto

熱効率とはどのようなものでしょうか?
熱効率とは使用したエネルギーに対してどれだけ有効な仕事をしたか?という指標です。

つまり、燃料に入れたエネルギーがどれだけ仕事に変わったかを示しているのですね。

熱力学第一法則が正しければ(正しいでしょうが)、エネルギーは保存されるため、使用したエネルギー以上のものを生み出すことはできません。

ということは熱効率は必ず 100 % 以下であることはまちがいなさそうです。
熱効率が例えば 200 % というと入れた燃料の2倍のエネルギーを生み出していることになります。

第一種永久機関と言われるものは、熱効率が 100 % 以上のものをいうのでした。
つまりこれは不可能。熱力学第一法則に反しているのです。

しかし、いまだに「永久機関を発明した」と主張する人が出たりします。
この第一種永久機関(これはエネルギーを無から生み出すことができる装置です)はあまりにも荒唐無稽な場合が多いため素人でも簡単に見破ることができそうです。

現在、特許庁ではこのような永久機関に関すると思われる発明は不可能であるとしてすぐに却下されます。

しかし、熱力学第一法則(エネルギー保存則)に矛盾しない第二種永久機関というものも存在するのです。これはなかなか巧妙に作られているものもあります。

このような熱力学第一法則に反しないような永久機関も不可能であるとしたのが熱力学第二法則とも言えるのです。
ここでは、熱力学第二法則と熱効率を題材にお話を進めていきましょう。

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いまでもときどきニュースで街の発明家が永久機関を発明した!というのを見たりするが、それらはすべて勘違いか詐欺のたぐいなんだな。

もし、永久機関ができれば、第一種でも第二種でもノーベル賞を100個あげてもいいくらいの大発明だよ。

熱力学第二法則

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熱力学第二法則はいろいろな表現方法があります。
まず、クラウジウス(1822~1888)の原理 として知られる表現です。

・熱は高温の物体から低温の物体へ移動し、自然に低温の物体から高温の物体へ移動することはない。

何をアタリマエのことを! と思われた皆さん。物理学とはこの程度のものか?と思われた皆さん。

では、この当たり前はなぜだか説明できますか?
この言わんとする事はあまりにも我々の生活に深く馴染みがあるためにだれも、疑問にさえ思わないでしょう。

しかし、天才の思考は違うのです。
例えば、振り子を考えると、振り子はいったりきたりの振動を繰り返します。
摩擦や空気抵抗等でエネルギーを失われなければ、多分永遠に運動し続けるでしょう。
科学者たちは、熱の出入りさえなければ、他の物理現象ではこのようにいったり来たりは可能であるのに、なぜ熱現象だけが一方通行なのか?という疑問を持ったのです。

\次のページで「トムソンの原理と熱効率」を解説!/

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