化学

亜鉛ってどんな物質?身近な例とともにその特徴を化学系学生ライターがわかりやすく解説

よぉ、桜木建二だ。今回は「亜鉛」について勉強していこう。

亜鉛は名前こそ知られている物質だが、実際どこで使われているかは知らない人が多いんじゃないか?

そんな亜鉛という物質について、研究室で実際に亜鉛を使った触媒を扱っている化学系学生ライターずんだもちと一緒に解説していくぞ。

解説/桜木建二

「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。

ライター/ずんだもち

化学系の研究室で日々研究を重ねる理系学生。1日の半分以上の時間を化学実験に使う化学徒の鑑。受験生のときは化学が得意でなかったからこそ、化学を苦手とする人の立場に立ってわかりやすく解説する。

1.亜鉛ってどんな物質?

image by iStockphoto

亜鉛という名前はときどき耳にすることがあると思います。では、亜鉛はどのような物質なのでしょうか。まずは主な特徴を簡単に見ていきましょう。

1-1.代表的な遷移金属

image by iStockphoto

亜鉛は原子番号が30の元素で、12族の第4周期に属します。亜鉛はその名の通り、かつて鉛を工業的に製造していた際に副生成物として得られていたものです。(「亜」は「〜に次ぐ」という意味)

亜鉛は代表的な遷移金属として知られていて、単体では「銀白色」と形容される色をしています。単体で目にすることはなかなかないのであまり馴染みはないかもしれません。

しかし亜鉛は単体で利用されることはあまりありません。有機物の一部となることもあれば、他の金属との合金として利用されることもあります。

1-2.意外と広く利用されている元素

亜鉛という名前は他の元素に比べてもそこまで有名な名前ではありません。しかし、その利用量は意外と多いことが知られています。

日常よく目にする金属として思いつくのは、鉄・銅・アルミニウムあたりだと思いますが、亜鉛はこの3つの元素についで4番目に多く使われている金属です。上位3つの金属はそれぞれどこで使われているか思い当たるものがあると思いますが、4位の亜鉛となると急に思いつかなくなると思います。

日頃は意識しない元素ですが、私たちが知らないだけで、かなり身近なところでお世話になっているかもしれませんね。

2.亜鉛の用途

亜鉛がいかに多く使われている元素なのかがわかったところで、実際にどこで使われているのかをひとつひとつ見ていきましょう。

2-1.日焼け止め

亜鉛は意外と身近なところで使われていると言いましたが、その代表例が日焼け止めクリームです。

日焼けクリームは肌に塗ることで太陽光からの紫外線をカットし、日焼けを防止します。日焼け止めには普通、亜鉛が含まれていますが、亜鉛単体として存在しているわけではありません。日焼け止め中の亜鉛は酸化物、つまり酸化亜鉛(ZnO)の形で存在していて、これは高い紫外線散乱剤として知られています。この酸化亜鉛は光に敏感であり、紫外線に反応して皮膚を傷つける可能性もあるため、日焼け止めの酸化亜鉛はコーティングされていることも有名です。

しかし、日焼け止めクリームに含まれる亜鉛にはデメリットもあります。亜鉛はそこそこ大きなイオン化傾向を持つ、すなわち、陽イオンになりやすい元素です。日焼け止め中の亜鉛がイオン化されると、同じく日焼け止め中に含まれる油分と反応して臭いの原因となることがあります。最近ではこの問題を防ぐために、酸化亜鉛と一緒に酸化チタンを加えている商品がほとんどです。しかし、酸化チタンでは紫外線をカットする能力が下がってしまうので、一長一短ですね。

日焼け止めクリームに亜鉛が採用されているのには亜鉛の特徴を生かした理由があります。それは、亜鉛は肌に触れても健康上の害がなく安全な元素であることです。記事の次の項目で解説する通り、人間の体には多くの亜鉛が使われており、健康上でも非常に重要な元素になります。

\次のページで「2-2.体内でも重要な元素」を解説!/

次のページを読む
1 2
Share: