3分で簡単「希ガス」ってどんなガス?元家庭教師が説明
実験のおとも、アルゴン
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アルゴンは空気中に窒素、酸素に続いて3番目に多く含まれています。貴重な気体と言いながらも、意外と身近な物質ですね。
アルゴンという名前は化学反応が起きにくくなまけものという意味で付けられました。もっとも外側にある最外殻に8個の電子が入ってとても安定した原子だからです。そんなアルゴンですが化合物が全くできないわけではなく、アルゴンフッ化物の合成が確認されています。
化学実験では酸素や空気気中に水分と物質を触れさせずに反応させる必要があることも。そんな時に反応している容器の中にアルゴンを流し、空気と触れないようにすることができるのです。また、アーク溶接にも使われています。
声が低くなるガス、クリプトン
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クリプトンにはギリシャ語で「隠れる」という意味があります。地球上にあまり存在せず、他の物質に隠れてなかなか発見されなかったことからこの名前が付けれました。
密度が小さいヘリウムには声が高くなるという性質がありました。一方密度が大きいクリプトンには声が低くなるという性質があります。もちろん、クリプトンでも酸欠になる危険性があるので注意が必要です。
不活性な性質からクリプトンは白熱電球でフィラメントを保護するために用いられています。その一方で酸化物や、水やヒドロキノンに囲まれたような化合物を作ることもできるのです。
不活性ガスなのに反応しやすいキセノン
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ギリシャ語で「奇妙な」という意味のキセノン。希ガスの中でも特に空気中の存在量が少ない物質です。
キセノンは希ガスの中では比較的イオン化しやすく、反応性も強めとなっています。そのため希ガスの中で最初に化合物の合成に成功しました。現在ではフッ化物や酸化物を作ることができます。
キセノンは断熱材や麻酔として利用されている物質です。また紫外線の発生装置やキセノンランプにも用いられています。
温泉から発生する希ガス、ラドン
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ラドン温泉でおなじみのラドン。温泉水に含まれた微量のラジウムからラドンが発生している温泉がラドン温泉です。
放射性元素の一種であるラジウムが崩壊するとラドンになります。世界一有名な学者夫婦、キュリー夫妻がラジウムのまわりの空気が放射性を帯びることを発見しました。
気体の状態では無色無臭ですが液体では青から薄紫色の、固体では黄色や赤橙の光を放っています。水や有機溶媒にも溶け、希ガスの中で比較的反応性に富んでいる物質です。
希ガスらしくない希ガス、オガネソン
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常温常圧で気体の状態で反応性が低いのが希ガスの特徴でしたね。しかしその常識を崩す型破りな元素と考えられるのがオガネソンです。
オネガソンは2002年に合成に成功した合成元素。しかし、非常に不安定でその検出はわずか5つ程度しか成功していません、そのためその特徴を正確に確認することはまだできていませんが、その性質を予測する計算によれば固体だろうと言われています。
この元素については、これから性質が分かっていくでしょう。
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