中学生なら誰でも知っている「have」ですが、その用法は多岐にわたる。まずはどの用法があるかを知っておき、それぞれの特徴をもとに判別できるようにすることが重要です。いかに判別するかという目線で学ぶことが英語のレベルを上げていく。

10数年間、中高生に英語を指導しているライターヤマトススムと一緒に解説していきます。

ライター/ヤマトススム

10数年の学習指導の経験があり、とくに英語と国語を得意とする。これまで生徒たちを難関高校や難関大学に導いてきた。

「have」を含む基本用法

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「have」を含む基本的な用法には、「所有を表す動詞として使う表現」と「助動詞の一部として使う表現」があります。いずれも、学校教育では基礎の段階で勉強する2つの表現です。

一般的な意味で使う動詞「have」

一つめは、所有の意味を表す動詞「have」です。この場合、物理的に手に持っているという意味と物理的に手にしているのではなく所有しているイメージでも使われます。所有の意味がなじまない人も多いので、例文で見ていきましょう。

He has a racket in his hand.(彼は手にラケットを持っている)

She has two brothers.(彼女は2人の兄弟がいる)

My city has three large parks.(私の市には3つの大きな公園がある)

助動詞の一部として使う「have」

二つめの用法は、助動詞の一部として使う「have」を2つ説明します。

強制や命令を表す「have to …」は、「…しなければならない」と訳し「must」と言い換え可能です。三単現の s が必要なら「has」、過去形なら「had」を使い、否定文や疑問文では一般動詞の文のように「Do」を使います。否定文では、「…する必要はない」と訳し不必要という意味です。

「had better …」は強い忠告や命令を表し、「…したほうがよい」と訳します。否定では、「had better not …」となり語順には注意が必要です。なお、「had」を使いますが過去の意味はありません。

I have to finish my homework by tomorrow.(私は明日までに宿題を終えなければならない)

He don't have to apologize for that.(彼はそれについて謝る必要はない)

You had better go to bed early today.(あなたは今日早く寝たほうがよい)

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重要文法で使われる「have」

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さまざまな用法で使われる「have」は、現在完了や過去完了などの完了形に含まれたり、使役動詞として独特の表現方法をするケースもあります。応用的な使い方や例外的な扱いもあるので、丁寧に見ていきましょう。

完了形で使われる「have」

まずは、完了形で使われる「have」についての説明です。完了形は時制の一つで、一定の期間を含めた時間帯の出来事を表すときに使います。ここでは、完了形のうち代表的な現在完了と過去完了について見ていきましょう。

現在完了は、「have + 動詞の過去分詞」の形で過去のある時点から現在までの期間を表し、完了「…した、してしまった」、経験「…したことがある」、継続「今までずっと…だ」と3つの用法があります。過去完了については、「had + 動詞の過去分詞」の形で過去のある時点からそれより今に近い過去のある時点までの期間を表し、現在完了と同じく用法は3つです。

<現在完了・完了>
I have just eaten breakfast.(私はちょうど朝食を食べたところだ)

<現在完了・経験>
He have ever been to Sapporo twice.(彼は今までに2回札幌に行ったことがある)

<過去完了・継続>
My uncle had been in the hospital for a week when I visited him.(私が訪れたとき私のおじは入院して1週間たっていた)

使役動詞として使う「have」

次は、使役動詞として使う「have」について見てみましょう。使役動詞は「make」「let」「have」などを指し、相手に何かをさせる場合に使います。「have」の場合は「…させる、してもらう」という意味です。

使役動詞は、不定詞で使うときに「使役動詞 + 目的語 + 原型不定詞」となり、「to」のない不定詞となります。また、分詞を補語として使う場合は「使役動詞 + 目的語 + 分詞」の形で、現在分詞の場合は動作継続の強調を表し、過去分詞の場合は目的語から見て受動の表しますよ。

原形不定詞 My father had me take circular notice.(父は私に回覧板を持って行かせた) 

現在分詞  He had them practicing day after day.(彼は毎日毎日彼らを練習させ続けた)

過去分詞  I had my hair cut by the hairdresser these days.(最近私は美容師に髪を切ってもらった)

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いくつもの顔を持つ「have」、どの用法なのかを判別できるようにしよう!

今回の記事では、さまざまな「have」の用法を解説しました。ここでは、用法を4つに分けて見ていきましたが、「have」を目にしたときに4つを思い浮かべて判断することが大切です。

所有の意味合いなのか、助動詞の一部になのか、「have」のあとに目的語をはさんで動詞の原形や分詞が置かれているのかを確認して見極めます。そうすると、英文を正しく把握することにつながりますよ。

英語の勉強には洋楽の和訳サイトもおすすめです。
" /> 【英語】have のさまざまな用法を現役塾講師がわかりやすく解説!見極められるよう特徴をチェック – Study-Z
英語の勉強法

【英語】have のさまざまな用法を現役塾講師がわかりやすく解説!見極められるよう特徴をチェック

中学生なら誰でも知っている「have」ですが、その用法は多岐にわたる。まずはどの用法があるかを知っておき、それぞれの特徴をもとに判別できるようにすることが重要です。いかに判別するかという目線で学ぶことが英語のレベルを上げていく。

10数年間、中高生に英語を指導しているライターヤマトススムと一緒に解説していきます。

ライター/ヤマトススム

10数年の学習指導の経験があり、とくに英語と国語を得意とする。これまで生徒たちを難関高校や難関大学に導いてきた。

「have」を含む基本用法

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「have」を含む基本的な用法には、「所有を表す動詞として使う表現」と「助動詞の一部として使う表現」があります。いずれも、学校教育では基礎の段階で勉強する2つの表現です。

一般的な意味で使う動詞「have」

一つめは、所有の意味を表す動詞「have」です。この場合、物理的に手に持っているという意味と物理的に手にしているのではなく所有しているイメージでも使われます。所有の意味がなじまない人も多いので、例文で見ていきましょう。

He has a racket in his hand.(彼は手にラケットを持っている)

She has two brothers.(彼女は2人の兄弟がいる)

My city has three large parks.(私の市には3つの大きな公園がある)

助動詞の一部として使う「have」

二つめの用法は、助動詞の一部として使う「have」を2つ説明します。

強制や命令を表す「have to …」は、「…しなければならない」と訳し「must」と言い換え可能です。三単現の s が必要なら「has」、過去形なら「had」を使い、否定文や疑問文では一般動詞の文のように「Do」を使います。否定文では、「…する必要はない」と訳し不必要という意味です。

「had better …」は強い忠告や命令を表し、「…したほうがよい」と訳します。否定では、「had better not …」となり語順には注意が必要です。なお、「had」を使いますが過去の意味はありません。

I have to finish my homework by tomorrow.(私は明日までに宿題を終えなければならない)

He don’t have to apologize for that.(彼はそれについて謝る必要はない)

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