3分で簡単にわかる!セクレチンの役割とは?発見の歴史も現役講師がわかりやすく解説!
セクレチンは歴史に名を遺すホルモン
普段の生活や、高校生物学のレベルではあまり耳にすることがないセクレチン。しかし、ホルモン研究の歴史を紐解いてみると、セクレチンはとても重要なホルモンであることがわかります。じつは、現在確認されている数々のホルモンのうち、はじめに見つかったホルモンといわれているのがセクレチンなのです。
ホルモンが認識されるまで
体内の情報伝達方法には、神経系と内分泌系(ホルモン)の2つがあります。このうち、神経細胞の興奮によって細胞から細胞へ刺激を伝える神経系のほうが先に研究され、そのメカニズムが詳しく調べられていました。神経細胞は、太いものであれば肉眼でもはっきり確認できますし、その重要性も良く認識されていたのです。
一方、「分泌されると血液中を流れ、離れた細胞にも作用する化学物質」=ホルモンは確認が難しく、神経系よりも発見が遅くなってしまいました。ホルモンが発見される前は、「身体の機能はすべて神経でコントロールされている」とまで考えていた研究者もいたようです。
ホルモンの発見
神経以外にも生体内での情報伝達をするシステムがある、ということを実験で証明したのが、イギリスの生理学者であるウィリアム・ベイリースとアーネスト・スターリングでした。
1900年ごろ、ベイリースとスターリングは実験動物としてイヌを使い、歴史に残る実験を行います。
彼らは消化管の研究をする中で、十二指腸に薄い塩酸を流すとすい液が分泌されるという事実を知っていました。塩酸は胃酸に含まれていますので、これは胃酸が十二指腸に流れ込んだ状態をまねしていることになります。
二人は麻酔したイヌの腹をあけ、すい臓につながる神経をすべて切除した後、十二指腸に薄い塩酸を注入しました。すると、すい液の分泌は起こりません。このことから、神経によってすい臓が刺激され、すい液が分泌されたという可能性を排除しました。
つぎに、十二指腸の壁を切り取り、薄い塩酸を加えてすりつぶしたものを、膵臓につながる血管に注入しました。すると、残っている十二指腸に塩酸がかかったわけでもないのに、すい液が分泌されたのです。
「神経以外に、細胞を刺激する情報伝達の手段が存在する」。この実験の結果が意味するところは多くの生理学者を驚かせました。二人は、この「体液にのって流れ、細胞を刺激することができる謎の物質」をホルモンとよび、「膵臓を刺激した物質」にセクレチンという名前を付けたのです。
ホルモンというものの存在が認められると、多くの研究者が未知のホルモンをもとめ、内分泌系の研究に没頭していくことになります。セクレチンはその始まりとなった歴史に名を遺すホルモンなのです。
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