
地表に一番多い元素「酸素」について元研究員がわかりやすく解説
鉄は空気中の水分に電子を奪われイオンになります。
Fe → Fe2+ → Fe3+
イオンになった鉄と、鉄から電子を奪ってイオン化した水(水酸化物イオン(OH–))が結びつきます。
Fe3+ + 3OH– → Fe(OH)3
空気中に水分を取られ赤さび(Fe2O3)になります。
2Fe(OH)3 → Fe2O3 + 3H2O
4-2.食品の劣化

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リンゴをむいて少し経つと、表面が茶色くなってきませんか?これも酸化が原因なんです。
他にも油が黒っぽくなったり、白米が美味しくなくなったりします。食品の多くが時間が経つと味が落ちますよね。これらは空気中の酸素と結びついた酸化が主な原因です。
4-3.使い捨てカイロ
寒い冬の必需品である使い捨てカイロ。火を使わないのに、開封しただけでなぜ温かくなのか疑問を持ったことがありませんか?
使い捨てカイロは中に鉄の粉末が入っています。鉄の粉末が空気中の酸素に触れて酸化され、発熱しているのです。
入っている鉄がすべて酸化されると発熱も終わります。あとは、空気中や触れているものにどんどん熱が移っていき、温度が下がってしまうのです。使い捨てカイロの中身は鉄なので、自治体にもよるかもしれませんが、不燃ごみで捨てましょう。
酸素は生きるために欠かせない元素
酸素は呼吸をするのに不可欠な物質で、地表付近に空気中や水中以外にも酸化物の形でたくさん含まれています。
工業的に空気中から分留により取り出した酸素は、病院・鉄鋼業・ロケットのエンジンなど様々な分野で活躍しているのです。
わたしたちの周りにも常に空気中の酸素と結びつく酸化が起こっており、金属のさびや食品の劣化は身近な酸化反応といえます。
酸素は他の元素と結びつこうとする力が強いので、身の回りの物を劣化させる原因にもなりますが、わたしたちの生活にとって大変重要な元素です。