化学

地表に一番多い元素「酸素」について元研究員がわかりやすく解説

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自分たちが吸っている酸素のほかにも、たくさんの種類や形状の酸素が存在していたんだな。

2.酸素の製法

酸素は植物の光合成で作られて、空気中にもたくさん存在します。しかし、工業的にまたは実験室で作りたいときはどのような方法で作るのでしょうか?

2-1.工業的製法

image by PIXTA / 24353408

工業的には空気の分留で得るのが一般的です。分留とは、混合物を沸点が低いものから順番に蒸留して分離することをいいます。まず空気を圧縮冷却し液体にし、徐々に温度を上げていくことで窒素やアルゴンなどと分けるのです。

ちなみに窒素(N2)の沸点は-195.8℃で酸素(O2)の沸点は-182.96℃なので、窒素の方が低い温度で気体になります。

分留した酸素を酸素ボンベに圧縮充填しますが、日本では酸素のボンベの色は黒色と決まっているのです。また、分留した酸素を再び低温にし、液体にした液体酸素も様々なところで活用されています。

2-2.実験室での製法

image by iStockphoto

(A)過酸化水素(H2O2)に触媒である二酸化マンガン(MnO2)を入れると酸素が発生します。

   2H2O2 → 2H2O + O2

  二酸化マンガンは反応を助ける触媒として入れているので、化学反応式には影響しません。

(B)水を電気分解すると陽極側で酸素が発生します。

  電気分解とは化合物に電圧をかけることにより、陽極側で酸化反応・陰極側で還元反応を起こし分解する方法です。

(C)塩素酸カリウム(KClO3)を加熱すると酸素が発生します。

   2KClO3 → 2KCl + 3O2

2-3.実験室での捕集方法

2-3.実験室での捕集方法

image by Study-Z編集部

酸素は水に溶けにくいため、水上置換法で捕集できます。

3.活用される酸素

わたしたちは日常的に、空気中にある酸素を使って呼吸をしたり料理をしたりしています。では工業的に製造した酸素はどのような使われ方をしているのでしょうか?

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