ソビエト連邦ヨーロッパの歴史ロシア世界史歴史

「冷戦」の軸は米ソの二項対立!時代背景を国際政治に詳しいライターが解説

終わりへと向かう冷戦

再び緊張の高まった「新冷戦」

1970年代終盤から80年代半ばにかけて、新冷戦と呼ばれる時代がありました。1979年にソ連がアフガニスタンへ軍事介入を行ったことを受けて、対立の落ち着いていた東西陣営に再び緊張が走ったのです。

この対立は、政治の世界以外へも広がりました。1980年にはアメリカ陣営がモスクワオリンピックをボイコット。その報復として、ソ連陣営は1984年のロサンゼルスオリンピックをボイコットします。アスリートなど、両国の政治対立に直接的な関係のない多くの人が巻き込まれたのです。

冷戦の終結

1985年、ゴルバチョフがソ連の共産党書記長に就任したことにより、東西対立の解決に向けて光が差し始めました。ゴルバチョフは政治改革「ペレストロイカ」を進め、同時に「グラスノスチ」と呼ばれる情報公開にも乗り出します。こうした改革がきっかけとなり、東欧諸国に民主化の波が訪れることとなったのです。同時に提唱された新思考外交は、中距離核戦力(INF)全廃条約の締結やアフガニスタンからのソ連軍完全撤退にもつながり、冷戦の集結に大きな役割を果たしました。

1989年、東西ベルリンの往来を阻んでいたベルリンの壁が崩壊されるという非常に象徴的な出来事が起こります。その直後、アメリカのブッシュ(父)大統領とソ連のゴルバチョフ共産党書記長が「マルタ会談」を行い、この首脳会談の中で冷戦の終結が宣言されたのです。

ソ連の崩壊

冷戦が終結した世界では国際政治の主導的立場としてのアメリカの存在感がますます高まる一方、ソ連の力は衰えていきました。マルタ会談の以前からソ連の構成国は革命により次々と独立を果たしていましたが、1991年12月25日にロシア連邦が成立したことにより、1917年から69年間続いたソ連がついに消滅したのです。

こうして、第二次世界大戦後の米ソ二強による冷戦体制が幕を下ろしました。この後、アメリカが覇権を握る新たな時代が本格的に始まるのです。そうした意味で、冷戦の終結に続くソ連崩壊は歴史の転換点ともなっています。

no-img2″>
 <figcaption class=桜木建二

資本主義陣営と共産主義陣営の対立から始まった冷戦が、20世紀の終わりに近付いてようやく終結したんだな。ベルリンの壁崩壊やソ連の消滅は、当時すごく大きなニュースになったんだぞ。

冷戦のサブストーリー

image by PIXTA / 32478611

アメリカとソ連の宇宙開発競争

冷戦に象徴されるのは、軍拡競争やイデオロギーの対立だけではありません。アメリカとソ連の間では、宇宙開発についても激しい競争がありました。

冷戦の初期、宇宙開発の技術はソ連の方が一歩進んでいました。ソ連は1957年に人類初の人工衛星である「スプートニク1号」を打ち上げ。その後、生物を宇宙空間に送ることについてもアメリカに先立って成功させました。アメリカをはじめとする西側諸国に衝撃を与えたこれらの出来事は、スプートニク・ショックとも言われています。その後、ソ連は人類初の宇宙飛行士としてユーリ・ガガーリンを宇宙に送り込んだのです。

宇宙開発のリーダーであると信じていたアメリカは、ソ連を追い越すために国を挙げてアポロ計画に乗り出しました。そして、1969年に人類初の月面着陸という偉業を成し遂げます。宇宙開発競争においてソ連に先んじられていたアメリカにとって、アポロ計画の成功は非常に大きな意味を持つものでした。

冷戦の時代に宇宙開発は驚くべき発展を遂げましたが、そこには米ソの対立から生まれた競争意識が関係していたのです。

次のページを読む
1 2 3 4
Share:
amala18