5分で完璧!二酸化炭素のすべてを元家庭教師がわかりやすく解説
二酸化炭素は空気中にも存在する身近な物質です。酸性雨、温暖化といった環境問題でよく聞くな。だけどその性質はよく知らないという人も多いでしょう。
そんな二酸化炭素について、修士論文の研究テーマが二酸化炭素を増やさない新エネルギーについてだったライター、たかはしふみかと一緒に解説していきます。
ライター/たかはし ふみか
国立大学出身で化学工学を専攻。二酸化炭素をこれ以上増やさないためのエネルギー開発の研究をしつつ、家庭教師のバイトをしていた。
二酸化炭素ってどんな物質?
二酸化炭素は中学生の理科でも学ぶ、なじみ深い物質ですね。二酸化炭素を使った実験をしたことがある人もいると思います。まずは二酸化炭素の性質や、どんなところで使われているかについてみていきましょう。
二酸化炭素の性質
image by Study-Z編集部
二酸化炭素はその字の通り1つの炭素と2つの酸素からできています。分子式で書くとCO2、分子量は44.0です。二酸化炭素は空気中に0.04%程度含まれています。
混合物である空気に分子量はありません。そのかわり、含まれている酸素や窒素、二酸化炭素の割合から平均分子量を求めることができます。空気の平均分子量を計算すると28.8となるのです。空気に対して二酸化炭素の方が重いことが分かりますね。
続いて、二酸化炭素の融点を見てみましょう。二酸化炭素の融点は⁻79℃です。二酸化炭素は通常の圧力下で冷却すると気体から固体になる、ちょっと変わった物質。だから常温でドライアイスは固体から一気に気体へと状態が変わるのですね。
また、石灰水を白く濁らせる、というのも理科で習う重要な性質。これは石灰水の成分である水酸化カルシウムと二酸化炭素が反応して炭酸カルシウムが生成するからです。
その他の性質として水に溶けやすく水溶液は酸性を示す、無味無臭で無色といった性質があります。
CaCO3+2HCl→CaCl2+CO2+H2O
炭酸カルシウムは石灰石や貝殻、卵の殻の主成分です。その他に炭酸水素ナトリウムや炭酸ナトリウムに塩酸をかけても二酸化炭素を発生させることができます。
二酸化炭素は水に溶けやすく空気よりも重いのが特徴です。そのため、下方置換法によって集めます。発生した二酸化炭素を下方置換法で集める時のポイントは炭酸カルシウムと塩酸を混ぜ合わせた容器よりも、集める容器の方を低くすることです。
なお、通常の濃度なら問題ありませんが濃度が4%以上になると頭痛や吐き気、眩暈が起こりさらに7%以上になると呼吸がうまくできなくて死に至ります。簡単にできる実験ですが、慎重にやる必要があるのですね。
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