
「中和」の定義とは?中和すると起こる様々な反応とともに未来の科学者ライターがわかりやすく解説!
「中和(ちゅうわ)」という言葉は、「混ぜ合わせる」みたいな意味で普通に使われているが、実は化学用語でいう「中和」には、厳密な定義があるんだぜ。じゃあ、どんな反応を指すのか知っているか?中和と聞くと、一部の人は塩ができる反応だと思うでしょうな。
今日は「中和」の定義について、未来の科学者ライターHaruと一緒に解説していきます。

ライター/Haru
国際化学グランプリに挑戦した経験もある、実験が大好きな学生ライター。子どもの頃、元素周期表をポケモンと一緒に覚えてから、物質を見ると化学式が一緒に見えてくる生活を送っている。アインシュタインとニュートンを尊敬しており、彼らの偉業や化学の面白さについての知識を、分かりやすく提供していきたい。将来は研究員になって実験を生業とするのが夢。
「中和」の定義とは?

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化学でいう「中和」とは、どのような反応を指すのか一緒に学習していきましょう。
中和と聞くと、酸性と塩基性の水溶液が反応して塩ができる反応だと思っている人が多いと思います。しかし、「中和」の本質は、酸と塩基の反応の過程で水素イオンと水酸化物イオンが結合して、水が生成されるところにあるのをご存知でしたか?
実は、塩はただの中和反応の副生成物に過ぎないのです。塩酸と水酸化ナトリウム水溶液の中和を例に説明しましょう。この反応は以下の式で表すことができます。
酸・塩基とは
酸と塩基の定義はいくつかあります。そのうち特にメジャーなものは、「アレニウスの定義」、「ブレンステッド・ローリーの定義」の2つでしょう。
この2つについて辞典で知らべてみました。
「アレニウスの定義」とは
1884年に酸と塩基の定義を提唱したアレニウスは、水溶液において水素イオンを発生するのが酸で、水酸化物イオンを発生させるのが塩基だとした。
「ブレンステッド・ローリーの定義」とは
アレニウスの定義において中心的な役割を果たしているH+、すなわちプロトン(陽子)をベースとして、酸と塩基の概念を以下のように再定義した。
酸:プロトンH+を他の物質に渡すことができる物質
塩基:プロトンH+を他の物質から受け取ることができる物質
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