普段の生活でエネルギーという言葉を目にすることはたくさんあると思う。しかしそもそもエネルギーとはなんなのかと聞かれて説明できない人も多いはずです。

エネルギーには運動エネルギー、熱エネルギー、位置エネルギー、などたくさんの種類のエネルギーがあり、普段の生活ではそれらの違いを意識することなくエネルギーを使っている。この記事を読めばキミは漠然としたイメージのエネルギーがはっきりとした理解で実生活や勉強に結びつけられるはずだ!

ライターの四月一日そうと一緒に解説していきます。

ライター/四月一日そう

物理が大好きな理系大学生ライター。また、現役の塾講師でもありほぼ毎日高校生たちに物理の自然法則をシンプルで分かりやすく教えている。今回のテーマであるエネルギーという概念は物理の根幹とも言える部分なのではっきり、シンプルに、丁寧に説明していく。

そもそもエネルギーとは

image by iStockphoto

エネルギーとは人間が自然をより理解しやすいように考えた概念なので必ず定義があります。それでは早速エネルギーとはどうやって定義されるのか見ていきましょう。ずばりエネルギーとは仕事をすることのできる能力の総称のことです!

といってもこれではまだなにを言っているのかよくわかりませんね。もう少しシンプルに考えてみます。仕事というのはどれだけ他のものに力を加える事ができるか。つまりどれだけほかのものを動かせるかを表す物理量です。エネルギーというのは直感的に考えるとどれだけ他のものを動かす能力があるかを表す概念だった訳ですね。

最初にエネルギーには様々な種類があるという話がありました。この記事では代表的な運動エネルギーと位置エネルギーについて詳しく解説していきます!

運動エネルギー

運動エネルギー

image by Study-Z編集部

運動エネルギーは1番直感的に理解しやすいエネルギーなので最初に説明します。運動エネルギーとはざっくり説明すると動く物体が持つエネルギーです。

例えば動いている物体Aと制止している物体Bがあるとします。AとBが衝突すると制止していた物体Bは多くの場合、動き出しますよね。Bを動かすのに使われたエネルギーがAが衝突する前に持っていた運動エネルギーの一部というわけです。ここで一部と書いたのはAの運動エネルギーがすべてBに伝えられたとは限らないからなんですね。どういうことかというと衝突後にAが制止するとは考えにくいですよね。そうなると、衝突後もAは運動エネルギーを持っていると分かります。

次に運動エネルギーの大きさについて考えていきましょう。運動エネルギーの大きさは2つの数の大きさによって決定します。2つの数とは速度と質量です。速度をv、質量をmとすると運動エネルギーのおおきさは画像の式で表されます。重い物体が速く動くほど運動エネルギーは大きくなるということですね!これは日頃からの感覚としても理解しやすいんじゃないかと思います!

位置エネルギー

次は位置エネルギーについてですね。位置エネルギーもざっくり説明すると高いところにある物体が持つエネルギーです。位置エネルギーは運動エネルギーと違ってはっきり目に見えるものではないのでイメージがつかみにくいのですが、丁寧に解説していきます!

例えば2階からボールを落としたとします。するとボールはすぐに下に落ち始めますね。この時点でボールは運動エネルギーを得たことになります。ただ、自然界にはエネルギー保存の法則というものがあって物体がひとりでに動き出したりエネルギーを得るということがありません。それではなぜボールが運動エネルギーを得たのか疑問が残りますね。この場合運動エネルギーを得たというよりはもともと持っていた位置エネルギーが運動エネルギーに変換されたというほうが分かりやすいです。運動エネルギーと位置エネルギーの関係は次の章で詳しく説明していきます!

次に位置エネルギーの大きさについて考えていきましょう。手から離れたボールは地球の重力という力に引っ張られて動き始めます。位置エネルギーというのは重力に由来する力なんですね。ということは大きさにも重力が絡んでくると予想されますね。位置エネルギーの大きさは物体の質量をm、基準点からの高さをh、重力をgと意味することにするとmghと表されます。

\次のページで「運動エネルギーと位置エネルギーの関係」を解説!/

運動エネルギーと位置エネルギーの関係

運動エネルギーと位置エネルギーの関係

image by Study-Z編集部

それでは最後に運動エネルギーと位置エネルギーの関係について考えてみましょう!

地面の高さを基準面として考えます。高さhの場所から地面に向かって鉄球を落下させるとしましょう。落とす前に持っているボールのエネルギーはmghですね!このとき運動エネルギーは0です。鉄球を落とすと、運動エネルギーは増加していき位置エネルギーは減少していきます。それでは鉄球が地面と衝突する瞬間を考えましょう。それでは問題です。このとき鉄球が持っているエネルギー、分かりますか?答えはmghです!なぜかというとエネルギー保存則で鉄球が持つ全体のエネルギーはなにか別のものと接触するまでかわりません!ただ、エネルギーの大きさは変わりませんが種類は変わっています。もう、おわかりですね。この場合、位置エネルギーがすべて運動エネルギーに変化したのです。

このことを利用して地面と衝突する直前の鉄球の速さを求めることができます。画像の式が成り立つのでこれを移項してみてv=という式に変形すれば求められますね!もう少し余裕のある人はここでは空気の抵抗を無視しているという条件ですので実際の実験では空気の抵抗を考慮する必要があるということはぼんやり覚えておくといいです!

エネルギーのポイント

エネルギーは目に見えないことがほとんどでイメージしづらいですが他の物体を動かす能力であること、他の物体と接触しなければ保存されるということを念頭に入れておけばそんなにややこしいものではありません。受験勉強をしている方も式だけを追うのではなく、実際にどんな現象が起こっているのかを考えながら学習すると早く、しっかりとした理解が得られるでしょう。また、ここで説明したエネルギー以外にも自然界には様々な種類のエネルギーが存在します。みなさんも一度普段の生活でどんな種類のエネルギーを利用しているか考えてみてくださいね!

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物理物理学・力学理科

運動エネルギー 、位置エネルギーとは?1から現役塾講師が分かりやすくわかりやすく解説!

普段の生活でエネルギーという言葉を目にすることはたくさんあると思う。しかしそもそもエネルギーとはなんなのかと聞かれて説明できない人も多いはずです。

エネルギーには運動エネルギー、熱エネルギー、位置エネルギー、などたくさんの種類のエネルギーがあり、普段の生活ではそれらの違いを意識することなくエネルギーを使っている。この記事を読めばキミは漠然としたイメージのエネルギーがはっきりとした理解で実生活や勉強に結びつけられるはずだ!

ライターの四月一日そうと一緒に解説していきます。

ライター/四月一日そう

物理が大好きな理系大学生ライター。また、現役の塾講師でもありほぼ毎日高校生たちに物理の自然法則をシンプルで分かりやすく教えている。今回のテーマであるエネルギーという概念は物理の根幹とも言える部分なのではっきり、シンプルに、丁寧に説明していく。

そもそもエネルギーとは

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エネルギーとは人間が自然をより理解しやすいように考えた概念なので必ず定義があります。それでは早速エネルギーとはどうやって定義されるのか見ていきましょう。ずばりエネルギーとは仕事をすることのできる能力の総称のことです!

といってもこれではまだなにを言っているのかよくわかりませんね。もう少しシンプルに考えてみます。仕事というのはどれだけ他のものに力を加える事ができるか。つまりどれだけほかのものを動かせるかを表す物理量です。エネルギーというのは直感的に考えるとどれだけ他のものを動かす能力があるかを表す概念だった訳ですね。

最初にエネルギーには様々な種類があるという話がありました。この記事では代表的な運動エネルギーと位置エネルギーについて詳しく解説していきます!

運動エネルギー

運動エネルギー

image by Study-Z編集部

運動エネルギーは1番直感的に理解しやすいエネルギーなので最初に説明します。運動エネルギーとはざっくり説明すると動く物体が持つエネルギーです。

例えば動いている物体Aと制止している物体Bがあるとします。AとBが衝突すると制止していた物体Bは多くの場合、動き出しますよね。Bを動かすのに使われたエネルギーがAが衝突する前に持っていた運動エネルギーの一部というわけです。ここで一部と書いたのはAの運動エネルギーがすべてBに伝えられたとは限らないからなんですね。どういうことかというと衝突後にAが制止するとは考えにくいですよね。そうなると、衝突後もAは運動エネルギーを持っていると分かります。

次に運動エネルギーの大きさについて考えていきましょう。運動エネルギーの大きさは2つの数の大きさによって決定します。2つの数とは速度と質量です。速度をv、質量をmとすると運動エネルギーのおおきさは画像の式で表されます。重い物体が速く動くほど運動エネルギーは大きくなるということですね!これは日頃からの感覚としても理解しやすいんじゃないかと思います!

位置エネルギー

次は位置エネルギーについてですね。位置エネルギーもざっくり説明すると高いところにある物体が持つエネルギーです。位置エネルギーは運動エネルギーと違ってはっきり目に見えるものではないのでイメージがつかみにくいのですが、丁寧に解説していきます!

例えば2階からボールを落としたとします。するとボールはすぐに下に落ち始めますね。この時点でボールは運動エネルギーを得たことになります。ただ、自然界にはエネルギー保存の法則というものがあって物体がひとりでに動き出したりエネルギーを得るということがありません。それではなぜボールが運動エネルギーを得たのか疑問が残りますね。この場合運動エネルギーを得たというよりはもともと持っていた位置エネルギーが運動エネルギーに変換されたというほうが分かりやすいです。運動エネルギーと位置エネルギーの関係は次の章で詳しく説明していきます!

次に位置エネルギーの大きさについて考えていきましょう。手から離れたボールは地球の重力という力に引っ張られて動き始めます。位置エネルギーというのは重力に由来する力なんですね。ということは大きさにも重力が絡んでくると予想されますね。位置エネルギーの大きさは物体の質量をm、基準点からの高さをh、重力をgと意味することにするとmghと表されます。

\次のページで「運動エネルギーと位置エネルギーの関係」を解説!/

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