「物質量、モル数の計算」攻略法!現役理系学生がわかりやすく解説!
物質量と濃度
さて、ここまではmolという単位の計算の仕方について解説してきましたね。ここからは濃度計算に関しての解説をし行きます。molが関与してこない濃度計算に質量パーセント濃度がありますね。これは溶質と溶媒どちらも合わせた水溶液〇gの中に何g分の溶質が含まれているのかという計算でした。実はmol濃度計算はもっと単純な計算です。そんなmol濃度について解説します。
mol濃度
ざっくり言えば、1リットルあたりに含まれる溶質の物質量[mol]というのがモル濃度です。単位はmolをリットルで割っているのでmol/Lとなります。また、これとよく似たものに質量モル濃度というものがあり、質量モル濃度は1 kgあたりに含まれている溶質の物質量[mol]という意味です。この二つは名前が似ていて間違えやすいため、しっかり区別して覚えておきましょう。
ここで、例題を見ながらこの濃度計算について考えていきたいと思います。問題ははこちらです。
29gの塩化ナトリウムNaClを水に溶かして2Lの水溶液を作る。この時、塩化ナトリウム水溶液のモル濃度を計算せよ。
ただし、原子量は以下とする。
Na=23、Cl=35
まず初めに考えるのは塩化ナトリウムの1 molの質量です。塩化ナトリウムは塩素とナトリウムがそれぞれひとつづつ含まれる分子なので、計算すると1 molは23+35= 58 gだとわかります。今回水溶液全体に含まれている塩化ナトリウムのモル質量は、29÷58=0.5となるので0.5 molですね。そして水溶液全体は2 Lなので1 L当たりで計算をすると、今回求めるモル濃度は0.5÷2=0.25 mol/Lだとわかりした。
このような問題とは逆に、何molなのかがわかっていてそこから質量パーセント濃度に換算するという問題もあります。慌てずにmolを質量に変換して、計算できるようにしましょう。
モル体積
最後に「体積」についての解説をしていきたいと思います。モル体積という言葉を知っていますか。モル体積とは1 mol 当たりの標準状態での原子や分子が占める体積のことです。そして気体分子でのモル体積は、機体の種類によらず同じ体積になります。
非常に小さな水素分子でも酸素分子でも二酸化炭素分子でもそれぞれの1 mol当たりの気体が占める体積は22.4 Lになるのです。つまり22.4 Lの気体があるということは、そこには気体の種類によらず1 molの気体があるということであり、11.2 Lの気体があるということは、そこには気体の種類によらず0.5 molの気体があるということになります。これがわかっていれば、物質の質量がわからないときでも、体積から一体その物質が何molなのかを計算することができるのです。
molは化学を考えるうえで不可欠な概念
molについて理解していただけましたか?
molが使えるようになると、様々なサイズの原子や分子を同じmolという単位で考えられるようになるのでとても便利です。
molの計算は何度も何度も繰り返し練習していくうちに自然と身についていきます。はじめは難しいかもしれませんが根気強くチャレンジしていきましょう!