「物質量、モル数の計算」攻略法!現役理系学生がわかりやすく解説!
モルは化学に必須の概念です。原子は1つ1つが小さすぎるため、大きな単位に置き換えないと考えることが難しい。そこで編み出されたのがmolです。この単元は非常に化学嫌いを生みやすいが、理解してしまえば難しくないぞ!
そんな「モル計算」について、未来の理科教員ライターこりんと一緒に解説していきます。
ライター/こりん
現役理系大学生。小学生のころから理科が好きで、現在は化学を専攻している。
mol とは?
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化学嫌いをっもっとも生みやすいと言っても過言ではない単元「mol」。これを読んでいるあなたもそんな中の一人なのではないでしょうか。化学以外では出てくることのないmolという単位に混乱してしまう人も多いですが、分かってしまえばそんなに厄介な相手ではありません。molについて詳しく丁寧に理解していきましょう。
molの定義
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「mol」というのは、上記にもあるように、単位の一つです。1 molというのはある原子、分子を6.022×10^23個集めたという状態を表します。例えば1 molの炭素原子であれば、炭素原子が6.022×10^23個分ありますよ、ということになるのです。ちなみにこの6.022×10^23という数字をアボガドロ定数というので覚えておきましょうね。
mol の必要性
なぜこのようなややこしい単位が必要なのか、それは原子がとても小さいものだからです。原子1つはとても小さくそれ単体として質量や数を計算することがとても難しいですよね。そのためもっと扱いやすいサイズでひとまとまりとすることで、化学の計算をしやすくしたのです。
1molの定義はある原子、分子が6.022×10^23個集まった状態だと言いました。これは、炭素原子を12 g分集めた時の炭素原子の個数が6.022×10^23個だったためこの数字に定義されたものです。要するに1 molの炭素原子は12 gの炭素と等しいという計算になります。小さい炭素原子を6.022×10^23個集めると12 gになるのです。
原子の質量はそれぞれ違うので、当然1molの時の質量もそれぞれ変わってきます。皆さん1度教科書などの周期表を見てみてください。おそらく、「原子量」というものが記載されていると思います。これがそれぞれの原子の1 molの時の質量です。試験などに出るときは物質量が試験問題に記載されていることが多いので全部覚えなければならないわけではないですが、有名どころの水素や炭素、酸素などだけでも覚えておくと便利でしょう。
1 molの分子
さて、〇gの原子があった場合、それが何molの原子であるのかについて説明してきました。原子の場合、周期表などに記載されている「物質量」を見ればいいんでしたね。先ほどもチラッと言ったように、molというのは分子でも適用されるのです。分子の場合はどのように考えたらいいのでしょうか。
これはとても単純で、分子に含まれるそれぞれの原子の物質量を足し合わせればいいのです。と、言われても少しわかりずらいですよね。では水分子を例に挙げて考えてみましょう。
水分子は1つの酸素原子と二つの水素原子からなる分子です。水素原子の物質量は約1 g酸素原子の物質量は約16 gですね。水分子の1 molの質量は (水素原子の物質量×2)+(酸素原子の物質量)となります。つまり、(1×2)+16=18 gとなるわけです。それぞれの原子量の物質量と、その原子が1つの分子内にいくつ含まれているのかがわかれば、それを足し合わせるだけで1 molの分子の物質量は簡単に求めることができます。
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