英文を和訳することを難しく感じる人もいるでしょう。だからといって、訳しにくい単語を無視したり、都合よく勝手に意味を補う言葉を付け足したりしてはいけない。雑にならないように、丁寧に英文と日本語を付き合わせてチェックしていくのが基本中の基本です。

10数年間、中高生に英語を指導しているライターヤマトススムと一緒に解説していきます。

ライター/ヤマトススム

10数年の学習指導の経験があり、とくに英語と国語を得意とする。これまで生徒たちを難関高校や難関大学に導いてきた。

英文「和訳」の基本中の基本

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英語と日本語を言語として比べると、語順に関しては日本語の文章のほうがルーズであると言えます。そのため、和訳の際に日本語を雑にしてしまわないよう、より丁寧に日本語をつくることが基本中の基本です。

英語を「過不足なく」訳す

語彙力が必要なのはもちろんですが、和訳で一番大切なことは「過不足なく訳すこと」です。つい、よくわからない単語を無視したり、自分で勝手に意味を付け加えたりすると意味にズレがでてしまいます。

すべての単語に意味や役割があるので、英文の各単語に対応する日本語にも意味や役割がありますよ。この意味や役割をはっきりさせて訳すことが重要です。もし調べてもわからないことが多いようなら、その教材は自分には合わないので自分に合ったレベルの教材から取り掛かるほうがいいかもしれません。

「主語動詞」と「てにをは」

次は、英文の主語動詞をはっきりさせることと「てにをは」を正確に訳すことについて、確認していきましょう。

英文には、文の中心となる主語と動詞が必ずあります(命令文の場合は例外で主語はありません)。主語と動詞がはっきりすると文の骨組みが決まり訳しやすくなるので、まずは主語と動詞のチェックです。

助詞である「てにをは」については、雑になったり省略することのないようにしたいですね。助詞を間違うと、結果として文全体の意味を取り違えることになりかねません。正確に情報が伝わるよう助詞を選ぶようにしましょう。

英文「和訳」の基本

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英文「和訳」の基本では、文法に関わるところを中心に見ていきます。英文は文法に基づいて書かれていますから、和訳する日本語も文法通りになるよう訳すのが基本です。テストや試験で「訳しなさい」とあれば「文法に基づいて訳しなさい」ということですよ。

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文の構造を見抜く「5文型」

英文を丁寧に扱う習慣ができた上で、5文型にも意識をしていくと正確に英文をとらえることができます。5文型には、文の要素となる「主語(S)」「動詞(V)」「目的語(O)」「補語(C)」と「修飾語句(M)」があり、その組み合わせにより5つの文型が成り立っていますよ。全ての英文は5つの文型にあてはまるので、見分けられる状態になるよう勉強しておきましょう。

第1文型は「主語(S)+動詞(V)」、第2文型は「主語(S)+動詞(V)+補語(C)」で「S=C」の関係です。第3文型は「主語(S)+動詞(V)+目的語(O)」で「S≠C」となります。

さらに、第4文型は「主語(S)+動詞(V)+目的語(O)+目的語(O)」で「O≠O」、第5文型は「主語+動詞+目的語+補語」で「S=C」の関係です。

次の参考例文を見ると、5文型の理解が有効であることがわかりますね。

第3文型:I found the book easily.(私はその本を簡単に見つけた)

 →「the book」が目的語、「easily」は副詞なのでSVOCのどれでもない

第5文型:I found the book easy.(私はその本が簡単だとわかった)

 →「the book」が目的語、形容詞「easy」が補語で、「the book = easy」となる。

副詞節をつくる「接続詞」と「that節」

次に見ていく文法は、「接続詞」です。句や節の関係をはっきりさせると、訳しやすくなりますよ。とくに、紛らわしい接続詞のひつとは、主節全体にかかる「副詞節」で「when」「if」「because」などがあります。もう一つは、「that」を使う名詞節で一般に「that節」と呼ばれるものです。

副詞節の接続詞:副詞節の「when」以下が主節にかかっている

 My mother was washing the dishes when I came home.(私が家に帰ると母は皿を洗っていた)

名詞節をつくるthat節:名詞節の「that」以下が「hope」の目的語になっている

 I hope that he will pass the biology exam.(私は彼が生物の試験に合格することを願う)

名詞を修飾する「後置修飾」

最後は後置修飾です。後置修飾とは名詞を後ろから修飾することで、主に「不定詞の形容詞的用法」「分詞の形容詞的用法」「関係詞」などがあります。例文を見ながら、ポイントを確認してみましょう。

不定詞の形容詞的用法:不定詞の「to print」が直前の名詞「machine」を修飾している

 The company bought the machine to print.(その会社は印刷するための機械を購入した)

分詞の形容詞的用法:分詞を含む「playing there」が名詞「the boy」を修飾している

 The boy playing there is my son.(そこで遊んでいるのは私の息子だ)

関係詞:関係詞節「which 〜 room」が主語「The houses」を修飾している

 The houses which have the large living room increased.(大きいリビングのある家が増加した)

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和訳は「丁寧さ」と「文法力」を磨くと上達します!

今回は、英文「和訳」の基本について解説しました。和訳では日本語の表現が雑になりがちですが、とにかく可能な限り「過不足なく」日本語にしていくことは大切です。

後半は、文法理解をもとに和訳に役立てる方法を見てきました。文法は言葉のルールなので、うまく利用すれば必ず役に立ちますよ。文法事項を問われていなくても、毎日の勉強の中で文法事項をチェックすることをおすすめします。

英語の勉強には洋楽の和訳サイトもおすすめです。
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英語の勉強法

【英語】現役塾講師が「和訳の基本」をわかりやすく解説!和訳は過不足なく訳すのが大前提

英文を和訳することを難しく感じる人もいるでしょう。だからといって、訳しにくい単語を無視したり、都合よく勝手に意味を補う言葉を付け足したりしてはいけない。雑にならないように、丁寧に英文と日本語を付き合わせてチェックしていくのが基本中の基本です。

10数年間、中高生に英語を指導しているライターヤマトススムと一緒に解説していきます。

ライター/ヤマトススム

10数年の学習指導の経験があり、とくに英語と国語を得意とする。これまで生徒たちを難関高校や難関大学に導いてきた。

英文「和訳」の基本中の基本

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英語と日本語を言語として比べると、語順に関しては日本語の文章のほうがルーズであると言えます。そのため、和訳の際に日本語を雑にしてしまわないよう、より丁寧に日本語をつくることが基本中の基本です。

英語を「過不足なく」訳す

語彙力が必要なのはもちろんですが、和訳で一番大切なことは「過不足なく訳すこと」です。つい、よくわからない単語を無視したり、自分で勝手に意味を付け加えたりすると意味にズレがでてしまいます。

すべての単語に意味や役割があるので、英文の各単語に対応する日本語にも意味や役割がありますよ。この意味や役割をはっきりさせて訳すことが重要です。もし調べてもわからないことが多いようなら、その教材は自分には合わないので自分に合ったレベルの教材から取り掛かるほうがいいかもしれません。

「主語動詞」と「てにをは」

次は、英文の主語動詞をはっきりさせることと「てにをは」を正確に訳すことについて、確認していきましょう。

英文には、文の中心となる主語と動詞が必ずあります(命令文の場合は例外で主語はありません)。主語と動詞がはっきりすると文の骨組みが決まり訳しやすくなるので、まずは主語と動詞のチェックです。

助詞である「てにをは」については、雑になったり省略することのないようにしたいですね。助詞を間違うと、結果として文全体の意味を取り違えることになりかねません。正確に情報が伝わるよう助詞を選ぶようにしましょう。

英文「和訳」の基本

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英文「和訳」の基本では、文法に関わるところを中心に見ていきます。英文は文法に基づいて書かれていますから、和訳する日本語も文法通りになるよう訳すのが基本です。テストや試験で「訳しなさい」とあれば「文法に基づいて訳しなさい」ということですよ。

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