
簡単でわかりやすい!「原子」と「元素」の違いとは?気になるワードの使い分けを元塾講師が詳しく解説
2-2.中性子の数は不規則変化

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元素周期表は教科書に必ず掲載されているものですが、いまいち見方がわからないという人もいるかもしれませんね。この機会に理解を深めましょう。
まず、アルファベットで書かれているもの全てが特定の性質を持った元素です。さらに、1から順に示されている数字がそれぞれの元素の原子番号であり、陽子、電子の数を示しています。これは元素記号の左下に書かれている場合もありますよ。そして元素記号の左上に書かれているのが質量数です。
元素番号と同じ数である陽子数や電子数とは異なり不規則な変化をします。例えば、原子番号11のナトリウムの場合は12、原子番号12のマグネシウムも12、原子番号13のアルミニウムは14の状態が「安定」です。
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3.同位体の存在
By Dirk Hünniger; Derivative work in english – Balajijagadesh – This file was derived from: Hydrogen Deuterium Tritium Nuclei Schmatic-de.svg, CC BY-SA 3.0, Link
中性子の説明で「安定」と言ったのには理由があります。中性子の数は不規則変化であることに加え、同じ元素でも数が異なる場合があるのです。
例えば水素の場合、陽子数及び電子数は1と決まっていますが、質量数は1,2,3と3つの状態が存在します。このとき、中性子数はそれぞれ0,1,2と計算できますね。さらにその存在割合は図の左から約99.99%,約0.01%,ごく微量となっています。つまり、水素は質量数1で中性子数0のときが「安定」というわけです。
このように、同じ元素でも中性子の数が異なるものを同位体またはアイソトープといいます。
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3-1.質量数と原子量
質量数は先述したように陽子と中性子の数の和を示したものです。しかし元素周期表の中には上記のように、質量数ではなく原子量と記載されたものが多いでしょう。
原子量は質量数12の炭素 C の質量を12としたときの相対質量です。しかし実際に炭素の項目には12.01とありますね。これは水素のように、炭素も同位体が存在するからです。
質量数12の炭素が約98.9%であるものの、質量数13のものが約1.1%と質量数14のものがごく微量に存在しています。このことから、炭素の質量数の期待値として12.01という数値が出てくるというわけです。
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