「原子」の結びつきによってできる「分子」を元塾講師がわかりやすく解説
化合物で分子をつくらない物質は塩化ナトリウムだけではありませんよ。硫化鉄 FeS や酸化銅 CuO のように、金属を含む化合物は塩化ナトリウムと同様の構造をとります。あわせて覚えておきたいですね。
3.分子かどうかの見分け方
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単体だから、化合物だからと分子化合かを見極めるのは難しいのがわかりますよね。構造をしっかり考えて整理することが大切ですよ。ここで分子をつくる物質を見極めるためのヒントを2つ解説します。
3-1.常温で気体または液体の物質
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水素、酸素、窒素、二酸化炭素、一酸化炭素、硫化水素、塩素、アンモニア…。これらはどれも常温で気体なのがわかるでしょう。続いて、水、過酸化水素、酢酸、硝酸、硫酸…。これらは常温で液体ですね。このように、常温での状態を知っているものに関しては化学式がわからなくても判断のヒントとなります。
さて、これは少し応用的な内容です。吸うと声が変わってしまうヘリウムガスも常温で気体、単体で分子をつくる物質に分類されます。しかしこれは原子1つで安定した構造をとることから、他の原子と結合することなく単原子分子をつくる特別な元素です。このような性質をもつ元素を希ガス(貴ガス)といい、特殊な例であることを理解しましょう。なぜ原子1つで安定できるのかは、後日改めて解説しますね。
3-2.非金属元素同士から成る物質
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逆を言えば、金属同士、または金属を含む単体や化合物は分子でないのでは?と考えられますね。つまり、ナトリウム、マグネシウム、鉄、銅、カルシウム、亜鉛といった金属元素の名称がつく物質以外と考えれば、消去法が使えるでしょう。もちろん通称などもありますので必ずしも正確な分類とはいえませんが、中学レベルでは十分に判断が可能です。
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