「抽象名詞」とは目に見えない概念上の事柄を表す名詞です。文脈によって扱いが変わるケースや前置詞とセットとなり独特な使い方もある。「抽象名詞」を正しく理解した上で、注意すべきケースについても知っておくといい。

10数年間、中高生に英語を指導しているライターヤマトススムと一緒に解説していきます。

ライター/ヤマトススム

10数年の学習指導の経験があり、とくに英語と国語を得意とする。これまで生徒たちを難関高校や難関大学に導いてきた。

「抽象名詞」の基本

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名詞は5つに分類することができ、その一つが「抽象名詞」です。ほかには、「普通名詞」「集合名詞」「物質名詞」「固有名詞」があります。「抽象名詞」の特徴や使い方などを詳しく見ていきましょう。

「抽象名詞」とは?

「抽象名詞」とは、目に見えないような概念上の事柄を表す名詞です。また、数えることができない不可算名詞なので、原則的には単数形で表します。例として、次のような単語があることを確認しながら、語彙力をつけていけるといいですね。

【性質や状態を表すもの】
peace(平和)、information(情報)、knowledge(知識)、love(愛)、happiness(幸福)など

【動作がもとになるもの】
thought(思考)、death(死)、advice(忠告)、choice(選択)、agreement(同意)など

【勉強、学問に関するもの】
philosophy(哲学)、mathematics(数学)、science(科学)、physics(物理学)など

「普通名詞」としても使える「抽象名詞」

同じ単語でも、「抽象名詞」としても「普通名詞」としても使うことができるものがあります。意味に大きな違いはありませんが、文脈によって、より具体的な意味合いを持つ場合は「普通名詞」となりますよ。「普通名詞」ということなら、数えられるので可算名詞です。

抽象名詞:It is important for us to learn language.(言語を学ぶことは私たちにとって重要だ)

 →どの言語か、また、母国語かそうでないかも特定していない

普通名詞:I can speak three languages.(私は3つの言語を話すことができる)

 →ここでは明らかにしていないが、特定の3つの言語のことを指している

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注意すべき「抽象名詞」

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「抽象名詞」には、注意すべきケースがあります。一つは前置詞を伴って表現するケース、もう一つは紛らわしい表現のあるケースです。それぞれについて、詳しく見ていきましょう。

前置詞を伴い形容詞や副詞の意味を表す「抽象名詞」

「抽象名詞」には、「of」や「with」を伴う表現があります。「of」を使うと「形容詞」の扱いとなり、名詞を修飾しますよ。また、「with」を伴うと「副詞」の扱いとなり「動詞」を修飾するのが基本です。次の例文を見ながら確認していきましょう。

of + 抽象名詞:She has something of value.(彼女は価値あるものを持っている)

 →「of value」が名詞「something」を修飾。「-thing」は直後形容詞を置く単語。

with + 抽象名詞:He passed the examination with ease.(彼は簡単に試験に合格した)

 →「with ease」が動詞「passed」を修飾。

「抽象名詞」の複数形をもつ単語

「抽象名詞」は不可算名詞なので単数形です。しかし、そのうち「抽象名詞」の単語に複数形があり「普通名詞」として使われる場合があります。それぞれ意味は少しずつ違ってくるのですが、紛らわしいので要注意ですね。

単数形:You should know the difference good and evil.(あなたは善と悪の区別を知るべきだ)

 →「good」は具体的な事柄を指していないので「抽象名詞」

複数形:I bought two thousand-yen goods.(私は2,000円の商品を買った)

 →「goods」は具体的な商品を指しているので「普通名詞」

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「抽象名詞」は前置詞を伴う表現など、紛らわしい表現に注意しよう!

今回は、「抽象名詞」の基本や注意が必要な「抽象名詞」について見てきました。「抽象名詞」は概念上の事柄を表す名詞ですが、辞書で調べるときにも意味とあわせて名詞の種類も確認するといいですね。

注意すべき「抽象名詞」には、単数形で「抽象名詞」、複数形では「普通名詞」という単語がありました。複数形の単語のほうが頻出の場合は「普通名詞」のイメージが強くなってしまいますが、意味の違いを考えて判断するといいですね。

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【英語】3分で簡単「抽象名詞」!抽象名詞の特殊な使い方も現役塾講師がわかりやすく解説

「抽象名詞」は前置詞を伴う表現など、紛らわしい表現に注意しよう!

今回は、「抽象名詞」の基本や注意が必要な「抽象名詞」について見てきました。「抽象名詞」は概念上の事柄を表す名詞ですが、辞書で調べるときにも意味とあわせて名詞の種類も確認するといいですね。

注意すべき「抽象名詞」には、単数形で「抽象名詞」、複数形では「普通名詞」という単語がありました。複数形の単語のほうが頻出の場合は「普通名詞」のイメージが強くなってしまいますが、意味の違いを考えて判断するといいですね。

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