
代表的な「気体の発生」について現役理系大学生ライターがわかりやすく解説
気体といっても単体の気体だと、水素、塩素など数が限られていますね。しかし、化合物となるとたくさんの気体の種類があるのは知っているでしょう。
そして今回は化学に詳しいライターどみにおんと一緒に代表的な気体の生成方法について解説していきます。
ライター/どみにおん
高校時代から気体の発生の実験も経験してきた化学に詳しい現役大学生。
気体って何?

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みなさん、気体と聞くと簡単にイメージすることができると思いますが、言葉で説明するのは難しくないですか?しかし、実は簡単に説明できるんです!気体とは物質の状態のひとつであり、分子または原子が自由に動きまわれる状態のことを言うんですね!
どの物質にも圧力や温度の条件を変えれば気体になりますが、今回は常温で気体のものについて解説していきましょう。
単体の気体の種類について
常温で気体である物質のうち単体であるものは、種類が限られています。周期表を見れば一目瞭然ですが、すべて挙げてみましょう。水素、窒素、酸素、フッ素、塩素と希ガスのヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン、ラドンだけなんですね。
希ガスは反応性が乏しく、空気中にもともと希ガスとして存在しているため、当然希ガスに生成方法は存在しません。
単体の生成方法で重要なのは、水素と塩素くらいなので、それぞれ見ていきましょう。
水素の発生について
水素は希硫酸に亜鉛などのイオン化傾向が水素よりも大きい金属を加えると水素が発生します。
亜鉛を例にとって化学反応式をかくと、
Zn+H2SO4→ZnSO4+H2
となり、水素が発生するんですね。
このように実験的に水素を発生させることが可能ですが、工業的には水の電気分解や石油の熱分解からつくっているんです。
塩素の発生について

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塩素の発生方法は主に3つあります。
その1 酸化マンガンに濃硫酸を加えて加熱
MnO2+4HCl→MnCl2+2H2O+Cl2↑
その2 さらし粉に希塩酸を加える
CaCl(ClO)・H2O+2HCl→CaCl2+2H2O+Cl2↑
その3 高度さらし粉に希塩酸を加える
Ca(ClO)2+4HCl→CaCl2+2H2O+2Cl2
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