3分で簡単「全反射」! 屈折の式がわかれば怖くないー理系ライターがわかりやすく解説
波動という現象は色々あるんですが、そもそも光も音も波動であることに関しては違いがない。つまりどちらも基本的な波動の理論で理解できるはずなんです。物理学とは、一般的普遍的な理解を目指していると言ってよい。
全反射という現象も波動現象の一つであるから波としての統一理解が可能なはず。全反射の式を丸暗記してやり過ごしてきたキミ!
一緒に考えていこうぜ。
ライター/タッケ
物理学全般に興味をもつ理系ライター。理学の博士号を持つ。専門は物性物理関係。高校で物理を教えていたという一面も持つ。ときどき全反射の式を丸暗記している人がいるが、実は屈折の式そのもの。今回はこの全反射について、なぜかを大事にして一緒に考えていく。
屈折率と屈折の法則
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波が進むとき、その進む方向が変化することがあります。
これが波の屈折です。
光や音は波の仲間ですね。すなわち、世の中は波で満ちあふれています。
だから、こういった現象は普段気付かないだけで、私達の日常あちこちでみることができるのです。
波の振動数は屈折しても不変
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図を見てください。
波が媒質1と媒質2の境界面で曲がっている(屈折している)のがわかります。
注意すべき点は、屈折に際して波の数の増減がないということです。
振動数とは1秒間に生成される波の数とも言えます。
したがって、屈折や反射の際には波の数は変化しないことから、屈折しても波の振動数は不変だと言えるのですね。
入射角と屈折角
波の速さが異なる媒質が隣り合っているとき、その境界面で波は屈折します。
波が屈折する理由は波の進む速さが変わるためです。
上の図の例では、境界面を堺にして波の速さが遅くなっています。
このとき、境界面に対して垂直な線(法線)に対して入射する波がなす角を入射角といいます(図)。また、屈折する波が同様に法線となす角が屈折角です。
屈折率とは
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この図のように境界面を堺にして波の速さが遅くなる場合は屈折波は法線方向に曲がります。
逆に屈折して波が速くなる場合は屈折波は法線方向と反対側に曲がるのです。
入射角 i と屈折角 j の間には次の屈折の法則がなりたつことがわかっています。
媒質1から媒質2へ波が進み、屈折したとき、
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