
アンモニアってどんな物質?誕生秘話とともに、未来の科学者ライターがわかりやすく解説!

昔は、蜂に刺されたらアンモニアを塗ればいいと皆信じていたそうだが、今はその方法には全く効果がないと知られるようになった。しかし、それならアンモニアってどんな効果があって、何の役に立つんだ?
今日は、未来の科学者ライターHaruを招いた。アンモニアについて、一緒に解説していくぞ。

解説/桜木建二
「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。

ライター/Haru
化学グランプリに挑戦した経験もある、実験が大好きな学生ライター。
子どもの頃、元素周期表をポケモンと一緒に覚えてから、物質を見ると化学式が一緒に見えてくる生活を送っている。アインシュタインとニュートンを尊敬しており、彼らの偉業や化学の面白さを分かりやすく伝えていきたい。将来は研究員になって実験を生業とするのが夢。
アンモニアの性質とは

image by iStockphoto
アンモニアといえば、皆さんがイメージするのは「公衆トイレのようなにおい」ではないでしょうか。
あの「鼻にツーンとくる臭い」を刺激臭と呼びますが、塩化水素もこの刺激臭を持っていますね。
アンモニアの性質をいくつか挙げてみましょう。
1.刺激臭がある
2.水に溶けやすく、水溶液はアルカリ性を示す
3.空気より軽い

ふーん、アンモニアって空気より軽いのか。
でも「空気より軽い」って、どうもイメージしにくいなあ。何かそれを証明できるいい実験はねえのか?
アンモニアの溶解度の高さを確認できる「アンモニアの噴水」
アンモニアは実に水に溶けやすい物質ですが、これをよく確認できる実験として「アンモニアの噴水」があります。
まず、実験装置をセットします。
逆さに吊した丸底フラスコ内にアンモニアを充満させて、フラスコの口にはゴム栓をつけ、ゴム栓には2本のガラス管を通します。
片方はフェノールフタレイン液の入ったビーカーにつなぎ、もう片方は、水の入ったスポイトにつなぎます。
この装置のスポイトを押すと、水がフラスコ内に放出され、周りのアンモニアが水に溶けます。この時、フラスコ内の気圧が下がるのでビーカーのフェノールフタレイン溶液が上に吸い上げられ、アルカリ性であるアンモニア水と触れて赤色に変色します。この実験から、アンモニアは水に溶けやすく、アルカリ性の溶液になる物質であることが分かります。
アンモニアは空気より軽い上に水に溶けやすいという性質があるので、アンモニアを集める時は「上方置換法」という方法を使います。
\次のページで「アンモニアの合成方法が発見されるまで」を解説!/