暮らしを支える「石油化学」について元塾講師がわかりやすく解説
3-5.合成ゴム
ゴムの木から得られる天然ゴムとは異なり、耐熱性や耐老化性など求める特色に応じて開発されたのが合成ゴムです。これまでに紹介したプラスチックや合成繊維以上に豊富な種類があり、中でもシリコンゴムは有名でしょう。
天然ゴムはアレルギーが出やすいことから、ラテックスアレルギーのある研究者や医療従事者、患者への治療に使われるゴム手袋の原料としても使われています。
4.化学製品だからこそのメリット
天然素材を利用した製品は古くから使用されてきたものです。そのため、天然でないもの、人工的なものである化学製品に対しては環境や人体への影響を心配するあまりマイナスなイメージを持っている人もいるでしょう。年齢層が上がるほどその傾向が高くなるかもしれませんね。しかし、人工的なものだからこそのメリットを忘れてはいけません。
例えば、石油化学の技術を用いて作られた「合成繊維」に対し、天然の原料を用いて作られた繊維である「天然繊維」というものがあります。木綿や麻、絹に代表される天然繊維は、量産が難しいというのが大きな課題でした。しかし、合成繊維の登場により製品の量産が可能になったのは大きなメリットです。さらに、天然繊維にはない機能性を追加したことにより洋服選びの選択肢は広がりました。防水や撥水加工、速乾加工、UVカット効果のある洋服など、今では当たり前のように感じてしまいますよね。
このように、天然の原料を用いた製品に不足していた部分を補いつつ、さらに機能性を高めていけるのが化学製品の大きなメリットです。それぞれの良さを理解したうえで、製品・商品選びが上手にできる消費者になりたいものですね。
5.環境と石油化学
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原油から様々な原料へと精製する過程、実際に製品へと加工する過程で発生するガスや汚染水、廃棄物の処理はどの工場も多額の費用をかけて対策を取っています。さらに、プラスチックのように自然分解されない製品の海洋流出の問題は世界中で大きな問題になっていますよね。そのため、生分解性プラスチックと呼ばれる土壌に埋めても自然に分解されるプラスチックの開発や、使い捨て品にプラスチックを使わない活動も進められています。
そもそも限りある資源である石油ですから、環境へ配慮しつつ、いかに生産効率を上げるかはどんな企業にとっても永遠の課題になるでしょう。
では、わたしたちにできることは何でしょうか。
化学物質のメリットはリサイクルできることです。プラスチックなど、きちんと分別してゴミを捨てることで、リサイクル業者によって再度原料として生まれ変わります。全く化学製品を使わずに生活することは難しいでしょう。しかし、ゴミの分別は今日からでも始めることができますよね。過剰包装されている商品や使い捨て品を買わないという選択もできるでしょう。
地球にいる全ての人がゴミの分別に協力し、資源の無駄使いをなくすことは、限りある資源の有効活用につながります。それは結果として地球環境の保護にもつながるのです。
生活をより豊かにしてくれる石油製品ですから、それによって大切な地球というみんなの家を汚してしまうことのないように1人1人が心がけましょう。
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