「助燃性」と「可燃性」燃焼に関わるワードを元塾講師がわかりやすく解説
1-2.発火とは
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一方で発火というのは、火元なしで自ら燃え始めることをいいます。スマホやモバイルバッテリーから発火して火傷を負ったというようなニュースを聞いたことがありませんか?火を近づけたわけではないのに燃えてしまうというのが発火です。この場合は内部のショートなどが原因と考えられますが、このように自然発火してしまう性質を発火性といいます。
引火は気体が燃えているのに対し、発火は物質そのものが燃える現象です。発火が起こるときの最低温度を発火点といいます。発火点は引火点よりも高く、常温で発火するものは非常に稀です。そんな中、発火性のある物質の代表はリン P といえるでしょう。リンには黄リン(白リン)、赤リン、黒リンなどの同素体がありますが、その中でも黄リンがこれに該当します。常温で発火してしまうので、こちらも取り扱いには要注意ですね。
2.可燃性と助燃性
それでは本題に入ります。助燃性を解説する前に、可燃性から見ていきましょう。
2-1.自らが燃える可燃性物質
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可燃性とは燃えやすい性質のことを表します。物質に火をつけて燃えるものは可燃性がある可燃性物質ということができるのです。ガソリンのように引火して燃える物質はもちろんのこと、黄リンのような発火性の高い物質も当然火をつければ容易に燃えるものですから可燃性物質に含まれます。
僅かな火種で容易に燃焼しうる物質や摩擦によっても火を生じる可能性のある物質は、運搬などの取り扱いには注意が必要です。そのため可燃性物質には注意を促す上図のようなマークがつけられています。
2-2.燃焼を助ける助燃性物質
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一方で助燃性物質は燃焼を助ける物質です。自らが燃えるのではなく、あくまでも燃焼を促進する役割を持っています。可燃性物質同様、助燃性物質には上図のようなマークがつけられていますよ。
燃焼とは酸化反応であると先述しましたね。つまり、助燃性物質とは酸化を助けるものであり、空気よりも燃焼を促進する物質のことなのです。
酸化に必要不可欠なものといえば何でしょうか?
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