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「スペイン継承戦争」はなぜ起こった?ハプスブルク家マニアが5分でわかりやすく解説!

よぉ、桜木建二だ。今回は、スペイン継承戦争についてだ。スペインは当時スペイン・ハプスブルク家が代々支配していた国。ところが最後の王、カルロス2世がこの世を去った時にスペインを誰が継ぐのか争った戦争なんだ。

そこでハプスブルク家について詳しいまぁこと一緒に詳しく見ていくぞ。

解説/桜木建二

「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。

ライター/まぁこ

ヨーロッパ史が好きなアラサー女子。特にハプスブルク家に関する本を読むのが至福のひととき。今回は、カール5世から2つに分かれた名門スペイン・ハプスブルク家がどのように断朝し、その後スペイン継承戦争へ向かっていったのか解説していく。

1 スペイン継承戦争とは?

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スペイン継承戦争とは、スペインを支配していたスペイン・ハプスブルク家が断朝したために起こった戦争。最後の王、カルロス2世がこの世を去った時、各国が動き出しました。ここでは、スペイン・ハプスブルク家のこと、断朝したいきさつスペイン継承戦争について詳しく解説していきたいと思います。

1-1 カール5世から2つに分かれた名門

まず、スペインについて簡単に説明しましょう。スペイン・ハプスブルク家がスペインを支配するようになったのは、カール5世がスペインを息子フェリペへ、オーストリアを弟フェルディナンドへ譲ったため。カール5世といえば、祖父や父などから広大な領土を相続し肩書が70もあった人物ですよね。ここからハプスブルク家は、オーストリア系とスペイン系に分かれることに。

1-2 父から受け継いだスペイン

父カール5世からスペインを継承したフェリペ2世「フェリペのように働く」という諺もあるほど熱心に執務に取り組んだフェリペ。支配していた地域の書類が毎日山のように届いたため、書類王というあだ名も。彼の治世ではスペインは絶頂期を迎えることになりました。これは、海外進出によってアメリカ大陸から銀などを大量に手にしたため。その後フェリペ3世、フェリペ4世と続き、カルロス2世と治世は続くことに。

1-3 後継者問題に悩まされたフェリペ4世

王家にとって悩ましい問題として後継者問題があります。フェリペ4世も大いに悩まされることに。彼はアンリ4世の娘を娶り、バルタザール・カルロス皇太子とマリア・テレサ(フランス語読みでマリー・テレーズ)が生まれました。ところがバルタザール・カルロスは17歳の若さで亡くなることに。そして王妃も産褥でみまかりました。マリア・テレサは既にルイ14世の元へ嫁ぐことが決まっていたため、フェリペ4世には後継者がいない状況に。そして次の妃にしたのが、マリアナ。彼女とフェリペの関係はゾッとするものでした。なんとマリアナはフェリペの実の妹の娘。しかももともとはバルタザール・カルロスの婚約者だったマリアナでしたが、皇太子の死によって叔父の元へ嫁ぐことになったのです。こうして血族結婚によって生まれたのが、マルガリータ王女でした。

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現代の俺たちの感覚だと、叔父と姪の結婚だなんて想像しただけでゾっとするな。そこまでして血にこだわっていたことがよく分かるな。フェリペ4世にとって後継者がいない中で姪のマリアナと結婚し、マルガリータ王女が生まれた。それじゃあ彼女がスペインの女王となったのか見ていくぞ。

\次のページで「1-4 女王になるかもしれなかった王女、マルガリータ」を解説!/

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