光の屈折について、凸レンズと凹レンズの例を交えながら5分で理系ライターがわかりやすく解説
特に光の屈折を利用しているのはレンズでしょう。身近な物ではメガネや虫眼鏡です。これらレンズと光の屈折と、それによってみられる像について説明しよう。
今回は理系ライターのユッキーと一緒に解説しよう。
ライター/ユッキー
小さいころから理科系の分野に興味を持っていた。大学では建築構造を専攻している。
1 光の屈折とは
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ここでは、光の屈折について説明していきます。
身近なものでいえば水を入れたコップでしょう。中の水を通して反対側の景色を見ると、目で見るのとはまた違ったようにみえますよね。これは、水(とコップ)と空気の境目で光が屈折しているからです。
光の屈折は、空気から媒質へ進入する際に起きます。その際、光が進む角度が変わることがほとんどです。そのため、透明なものを通して向こう側の景色を見ると、光が屈折するため見え方が異なります。
どれだけ光が屈折するかを表す言葉を、屈折率といいnで表すのです。なお、この屈折率は媒質によって異なります。水、プラスチック、ガラスなど透明でも種類が違えばそれを通して見た景色の見え方は異なることが、お手元でも確認できるでしょう。
1-1 光の屈折の式
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屈折率はこの式によってあらわされます。
式からわかるように、真空と媒質内での光の進む速さの比から求められるのです。
では、なぜ波長λからでも求められるのでしょう。これは、媒質内でも振動数fは変わらない性質があるためです。速度、波長、振動数の関係式v=fλがあります。fが変わらないため、速度v(c)と屈折率の関係式をλでも表せるのです。
なお、真空ではn=1となり、これを特に絶対屈折率といいます。屈折率の問題では、空気は真空と同様に扱われることがほとんどです。
1-2 媒質と媒質とのあいだで起きる屈折
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光の屈折は媒質に進む際に発生します。これは空気から媒質に進入するときだけでなく、媒質から違う媒質へ進入する際も発生するのです。
空気から媒質へ進入する際の屈折率は先ほどの式で求められますが、媒質1から媒質2へ進入する際は異なることに注意しましょう。それぞれの媒質での速度、屈折率の比によって求められます。
先ほどのnは空気に対する屈折率ですが、こちらは媒質1と媒質2の相対屈折率です。
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