タンパク質と生物体の機能理科生物

5分でわかる「鉱質コルチコイド」!糖質コルチコイドとの違いは?現役講師が解説!

ナトリウムイオンやカリウムイオンは何のために調節が必要?

高校の生物の教科書(とくに生物基礎)では、「鉱質コルチコイド=ナトリウムイオンやカリウムイオンの調節」くらいしか説明されず、とにかく無理やり覚えてしまうことがよくあります。しかしながら、そんな生徒たちに「ナトリウムイオンやカリウムイオンは細胞にとってどんな役割をしているの?」と質問しても、答えられないことがほとんどです。

鉱質コルチコイドのはたらきと合わせ、ナトリウムイオンやカリウムイオンがなぜ調節されなくてはいけないのか、細胞にとってなぜ必要なのかも合わせてチェックしておきましょう。

ナトリウムイオンの役割

「塩分が人のからだにとって必要不可欠」というのは皆さんご存知の通り。たくさん汗をかく夏場は熱中症予防のためとしきりに塩分(NaCl)を摂りますよね。

私たちの体液にはナトリウムイオンが溶け込んでいます。体液は細胞内を満たす細胞内液と、血液やリンパ液などの細胞外液に分けることができますが、ナトリウムイオンは細胞外液の方に多く存在し、細胞内液との浸透圧のバランスをとっているんです。

no-img2″>
 <figcaption class=桜木建二

濃度の違う液体が半透膜(水分子などのちいさな物質が通れる膜)を挟んで存在する時、薄いほうから濃いほうへ水分子が浸透していく。このとき生じる圧力が浸透圧だな。

細胞内液の濃度よりも細胞外液の濃度が小さいと(細胞外液のほうが薄いと)、細胞内へどんどん水が入って行ってしまう可能性があります。その逆もしかり。細胞内液と外液の濃度を一定に保つことは、一つ一つの細胞が正常にはたらくために必要な条件なんです。

細胞内外のナトリウムイオンや後述するカリウムイオンはポンプによって輸送でき、多少の濃度調節をすることができますが、あまりの濃度差があると細胞のポンプもついていけなくなります。普段ナトリウムを摂りすぎた場合は、尿中に排出することでナトリウムイオンが増えすぎないよう調節されているんです。

image by iStockphoto

一方、ナトリウムの摂取量が少なかったり、汗をたくさん書いてナトリウムが体外にたくさん排出されてしまった場合はどうでしょう?少しでもナトリウムイオンを体内に残すため、尿の量を少なくするとともに、排出されそうだったナトリウムイオンを血液中に戻す「再吸収」が促進されます。このときにはたらくのが鉱質コルチコイドなんですね。

カリウムイオンの役割

ナトリウムイオンが細胞外液に多いという話をしましたが、実は細胞内液に多いのがカリウムイオンなんです。ナトリウムイオンの減少で細胞外液が薄くなっているのであれば、カリウムイオンも減らせば細胞内外の濃度差が大きくならずに済みます。ナトリウムイオンを再吸収するのと同時にカリウムイオンは排出を促進することで、浸透圧のバランスが保たれるのです。

次のページを読む
1 2 3
Share:
yu_onozuka