空気より重い気体の捕集法「下方置換法」を元塾講師がわかりやすく解説
前回は水上置換法について解説したよな。今回解説する下方置換法は水に溶けやすい気体であること、そしてもう1つの性質を持った気体に使える方法なんです。
さあ、化学に詳しいライターAyumiと一緒に解説していきます。
ライター/Ayumi
理系出身の元塾講師。わかるから面白い、面白いからもっと知りたくなるのが化学!まずは身近な例を使って楽しみながら考えさせることで、多くの生徒を志望校合格に導いた。
1.下方置換法とは
下方置換法とは、捕集びんや試験管に集める気体の捕集方法です。水中で気体を集める水上置換法とは異なり、容器の口が上を向いているのがわかりますね。この状態では空気が混ざってしまう可能性が高いため、容器いっぱいに気体を集めることでより実験の精度を上げる必要があります。しかし、気体の発生量・捕集量はわかりにくいため、どうしても純粋な気体を集めるのは難しくなってしまうのです。
2.捕集する気体の条件を考える
それでは、実際に捕集する気体の条件と例を見ていきましょう。水上置換法との違いを考えながら理解したいですね。
2-1.水に溶けやすい
前回解説した水上置換法は、水に溶けにくいという性質を利用した捕集法でしたね。実験によって発生した気体が水中を通って捕集びんや試験管に集まるという方法でした。そのため、水に溶けやすい気体の場合は容器に集まる前に水中に溶けてしまい、捕集できないというデメリットがありました。
一方で下方置換法の場合は水を介さない方法のため、水に溶けやすい気体であっても捕集が可能です。水に溶けにくい性質を持つ気体であれば、空気が混ざる可能性の少ない水上置換法を使うことができます。そのため、下方置換法を使うには水に溶けやすい気体であることが1つめの重要な条件となるのです。
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2-2.空気よりも重い
結論から言うと、下方置換法は空気よりも重い気体の捕集に適した方法です。
下方置換法のやり方を見てみると、気体を集める容器の口が上向きになっていることがわかります。ということは、集まった気体は容器の底に溜まるはずということが想像できるでしょうか。
ここで考えたいのは空気の重さについてです。「空気に重さなんてあるの?」と思う人もいるかもしれませんね。これについて考えてみましょう。
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