英語の後置修飾を苦手とする人は多い。英語ではあとに書いていることを日本語訳では先に訳すので、しっくりこないイメージを抱くからです。しかし、後置修飾のパターンはたった4つしかない。この4つを身につければ、後置修飾をマスターできる。

10数年間、中高生に英語を指導しているライターヤマトススムと一緒に解説していきます。

ライター/ヤマトススム

10数年の学習指導の経験があり、とくに英語と国語を得意とする。これまで生徒たちを難関高校や難関大学に導いてきた。

「前置詞」や「不定詞」を伴う後置修飾

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英語における後置修飾とは、文字通り「名詞を後ろから修飾する」ことを言います。その修飾のしかたには4種類ありますが、前半は「前置詞」や「不定詞」を伴う比較的基本的な後置修飾について見ていきましょう。

「前置詞句」による後置修飾

まずは、前置詞句による後置修飾を解説していきます。前置詞句とは「前置詞 + 名詞」のカタマリのことで、中でも直前にある名詞を修飾する場合にあたるのが後置修飾です。

次の文では、「for Liverpool」が「前置詞 + 名詞」の前置詞句となっており、それが直前の名詞「the train」を修飾していますね。

 This is the train for Liverpool.(これはリヴァプール行きの電車です)

今度の「of」を使った文は、語順の間違いが多いので要注意ですよ。「of his family」が前置詞句になっており、直前の「the pictures」を修飾しています。

 He showed me the pictures of his family.(彼は私に彼の家族の写真を見せた)

「不定詞の形容詞的用法」による後置修飾

次は、「不定詞の形容詞的用法」による後置修飾について見ていきましょう。不定詞とは「to + 動詞の原形」の形をとり、形容詞的用法は直前の名詞を修飾します。

以下の例文では、「to fly」が「to + 動詞の原形」の不定詞となっており、直前の名詞である「the ability」を修飾していますね。

 Ostrichs don't have the ability to fly.(ダチョウは飛ぶための能力を持たない)

\次のページで「「分詞」や「関係詞」を伴う後置修飾」を解説!/

「分詞」や「関係詞」を伴う後置修飾

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後半は、少し難易度の高い文法である「分詞」や「関係詞」を伴う後置修飾を解説します。直前の名詞を後ろから修飾する組み立ては変わりませんが、それぞれに特徴があるので詳しく見ていきましょう。

「分詞の形容詞的用法」を伴う後置修飾

後置修飾には、「分詞の形容詞的用法」を使った表現もあります。「分詞の形容詞的用法」とは、動詞の現在分詞または過去分詞を先頭にした句を名詞の直後において修飾する用法です。現在分詞の場合は「〜している」と訳し、過去分詞の場合は「〜された」と訳しますよ。

以下の文では、動詞の現在分詞を含む「crying over there」の部分が直前の名詞である「The baby」を修飾しています。

 The baby crying over there is my son.(向こうで泣いている赤ちゃんは私の息子だ)

次の文は、動詞の過去分詞を含む「built five years ago」が直前の名詞の「a tenple」を修飾していますね。

 He visited a temple built five hundred ago.(彼は500年前に建てられた寺を訪れた)

「関係詞」を伴う後置修飾

最後は、「関係詞」を伴う後置修飾です。関係詞は、主語動詞を含む節で直前の名詞を修飾する形をとります。さらに、修飾する名詞の役割によって、「関係代名詞」と「関係副詞」に分類されますよ。

以下の文は関係代名詞の主格の用法です。「who is tall」が直前の名詞「a brother」を修飾しており、直前の名詞は関係詞では「先行詞」と呼ばれますよ。「who」は先行詞が人のときに使われます。また、先行詞が関係代名詞節では主語の役割をする場合は「主格」の用法です。

 She has a brother who is tall.(彼女には背が高い兄がいる)

次は、関係副詞を含む文。「where I always play tennis」が直前の名詞「the park」を修飾しています。「the park」は本来「I always play tennis in the park」という位置で、動詞を修飾する語なので副詞的な役割です。そのため、「関係副詞」と呼ぶのですね。

 This is the park where I always play tennis.(ここは私がいつもテニスをする公園です)

関係詞にはたくさん種類はありますが、ここでは代表的な2つの文を紹介しました。

後置修飾かどうかを見極めて、4つのパターンを判断しよう

今回は「後置修飾」について解説しました。後置修飾は、日本語では先に訳す修飾部分を英語では後ろに置くことに注意が必要です。日本語の組み立てと英語の組み立ての違いに慣れておきましょう。

とくに「関係詞」などは種類も多く複雑な文もありますが、まずは「関係詞で後置修飾している」と判別できるかどうかがポイントです。関係詞の詳細を学ぶことも大切ですが、後置修飾かどうか、関係詞かどうかを見極められるよう練習するといいですね。

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【英語】現役塾講師が後置修飾をわかりやすく解説!後置修飾の4つのパターンをマスターしよう

英語の後置修飾を苦手とする人は多い。英語ではあとに書いていることを日本語訳では先に訳すので、しっくりこないイメージを抱くからです。しかし、後置修飾のパターンはたった4つしかない。この4つを身につければ、後置修飾をマスターできる。

10数年間、中高生に英語を指導しているライターヤマトススムと一緒に解説していきます。

ライター/ヤマトススム

10数年の学習指導の経験があり、とくに英語と国語を得意とする。これまで生徒たちを難関高校や難関大学に導いてきた。

「前置詞」や「不定詞」を伴う後置修飾

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英語における後置修飾とは、文字通り「名詞を後ろから修飾する」ことを言います。その修飾のしかたには4種類ありますが、前半は「前置詞」や「不定詞」を伴う比較的基本的な後置修飾について見ていきましょう。

「前置詞句」による後置修飾

まずは、前置詞句による後置修飾を解説していきます。前置詞句とは「前置詞 + 名詞」のカタマリのことで、中でも直前にある名詞を修飾する場合にあたるのが後置修飾です。

次の文では、「for Liverpool」が「前置詞 + 名詞」の前置詞句となっており、それが直前の名詞「the train」を修飾していますね。

 This is the train for Liverpool.(これはリヴァプール行きの電車です)

今度の「of」を使った文は、語順の間違いが多いので要注意ですよ。「of his family」が前置詞句になっており、直前の「the pictures」を修飾しています。

 He showed me the pictures of his family.(彼は私に彼の家族の写真を見せた)

「不定詞の形容詞的用法」による後置修飾

次は、「不定詞の形容詞的用法」による後置修飾について見ていきましょう。不定詞とは「to + 動詞の原形」の形をとり、形容詞的用法は直前の名詞を修飾します。

以下の例文では、「to fly」が「to + 動詞の原形」の不定詞となっており、直前の名詞である「the ability」を修飾していますね。

 Ostrichs don’t have the ability to fly.(ダチョウは飛ぶための能力を持たない)

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