化学

水に溶けにくい気体の捕集法「水上置換法」を元塾講師がわかりやすく解説

よぉ、桜木建二だ。今回は「水上置換法」について勉強していこう。

今から3回に分けて気体の捕集方法について解説するぞ。どんな気体にどの方法が相応しいのか、一緒に考えていこう。

さあ、化学に詳しいライターAyumiと一緒に解説していくぞ。

解説/桜木建二

「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。

ライター/Ayumi

理系出身の元塾講師。わかるから面白い、面白いからもっと知りたくなるのが化学!まずは身近な例を使って楽しみながら考えさせることで、多くの生徒を志望校合格に導いた。

1.水上置換法とは

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By すじにくシチュー投稿者自身による作品, CC0, Link

水上置換法は水を使った気体の捕集方法です。

大きめの水槽に水を入れ、気体を集めるための捕集びんや試験管も水中に沈め、容器の中に空気が入っていないことを確認します。この状態で気体を発生させる実験を開始し、気体が発生し始めてから少し経った時点で容器に気体を集めていく方法です。

初めに出てくる気体は実験装置内にもともと入っている空気なので、それが装置内からある程度出ていったことを確認する必要があります。この手順を踏んでも必ずしも空気等の混入がゼロになるとはいえないものの、実験を水中で行うことで空気と遮断されることもあり、より実験の精度は高くなるのです。

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空気が混ざらない分、目的の気体のみを集めることができそうだ。どれだけ気体が発生したかを調べたいときにも使えそうな方法だな。

2.捕集する気体の条件を考える

この水上置換法が使える気体の性質による条件はただ1つです。

水方置換法を用いる気体の条件

水に溶けにくい気体であること

この方法は図を見てもわかるように、水で満たされた容器の中に気体を集めていく方法です。つまり、気体は必ず水の中を通り、水と接することになります。

水に溶けやすい気体の場合、水の中を通る過程で溶け込んでしまう可能性があるのです。当然容器の中に気体は集まらず、それでは実験になりませんよね。そのため、水に溶けにくい気体であることがただ1つの条件ではありますが、非常に重要な条件といえます。

\次のページで「3.水上置換法の実験例」を解説!/

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