化学

沸点の差を利用した液体の精製法「蒸留」について元塾講師がわかりやすく解説

今回は液体を精製する「蒸留」という方法について勉強していこう。

前回は水溶液から固体(溶質)を取り出す再結晶について解説したが、この方法を使えば液体(溶媒)を得ることができる。混合物から何を取り出したいかによって方法を変えることが大切なんです。

さあ、化学に詳しいライターAyumiと一緒に解説していきます。

ライター/Ayumi

理系出身の元塾講師。わかるから面白い、面白いからもっと知りたくなるのが化学!まずは身近な例を使って楽しみながら考えさせることで、多くの生徒を志望校合格に導いた。

1.蒸留とは

image by iStockphoto

固体混合物の精製方法については前回再結晶という方法を解説しましたね。これは液体に混ざった固体の回収、もしくは固体同士が混合した物質から特定の固体を回収する方法として有効でした。

今回解説する蒸留は液体の回収を目的とした精製方法です。それでは詳しく見ていきましょう。

1-1.沸点の違いを利用した精製法

蒸留とは、液体の混合物を加熱することで蒸発させ、その後冷却して凝縮させることで再び液体として回収する液体の精製方法です。簡単に言い換えると、液体を加熱することで蒸気になったものを集めて、それを冷やすことでもう一度液体の状態に戻すということになります。

これがなぜ液体の精製につながるかというと、それには沸点が関係しているのです。沸点というのは沸騰を開始する温度のことで、物質ごとにこの温度は異なります。

沸点が異なる複数の物質を含んだ溶液を加熱した場合、どのような現象が起こるでしょうか。

そうですね。低い温度で沸騰を始める物質、つまり沸点の低い物質から沸騰を開始します。この沸点の差を利用することで混合物を分離することが可能になるというのが、この蒸留を理解するためのポイントですよ。

1-2.蒸留を行う目的

では、蒸留がどんな場面で用いられるのかを考えてみましょう。

蒸留の大きな目的は液体の純物質を分離させて得ることです。

この精製方法は、複数の液体が混ざり合った溶液、もしくは液体に固体が混ざり合った溶液から特定の液体物質を分離させたい場合に広く使用されます。このときの目的物質は常温で液体であることが多く、それは沸騰のしやすさが理由の1つです。

また、目的物質が融点が100℃程度の固体の場合にも用いられる場合もあります。

目的物質を一度蒸発させてから回収する必要があるので、どれだけ加熱しても溶けない、蒸発もしないという物質には不向きということですね。

\次のページで「1-3.実験手順を解説」を解説!/

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