波動における基本の「波の性質」を理系ライターが5分でわかりやすく解説
今回は物理を得意とするライター、ユッキーと一緒に解説しよう。
ライター/ユッキー
小中高と理科へ深い関心を持っている学生ライター。大学では建築構造を専攻している。
1 波とは
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物理波において、波という場合、物理の分野では海に発生するあの波ではなく、性質や現象のことを指します。
池に石を落とすと、そこを中心に水面が揺れますよね。そのように振動が伝わっていく現象のことを波動といいます。また、それを伝える、水にあたるものが媒質です。
1-1 波のグラフ
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この図のように波には波形があります。紙や紐をうねうねと揺らしたときに、蛇のように動くことをイメージしてもらえば近いでしょう。
これは、山が動いているようにみえますが、実際には波形が一定速度で移動し、そして媒質の各点が振動しているという考え方になります。
媒質の各点に注目すると、おもりをばねで釣ったときのように上下に単振動していることがわかるのです。
先ほど波形のグラフを示しましたが、横軸がxとtと2つの種類があります。それによって、波長と周期がそれぞれ読み取れることに注意しましょう。
1-2 グラフの補足
波のグラフは、あのうねうねとした形が移動していく、というよりは、一定の周期で各点が上下に動き(単振動をし)その結果同じ形の波形が動いていく、という考え方をします。
ちなみに、この波の速度vは媒質の物理的性質で決まるのです。
また、このようにsinのグラフと同じ形になる波のことを正弦波と呼びます。この波の形が一定速度で平行移動していくのがこのグラフです。
1-3 関係式
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媒質が1回振動する周期(山-谷-山の1セット)に波が進む距離を波長といいます。
周期をT、振動数をf,波長をλとおくと波の速さvはこのような関係式となることを覚えておいてください。
v=fλです。
また、周期と振動数の関係も示します。
f=1/T
振動数はこのような関係性があるため、単位はHzではなく、1/sとして考えることもあるのです。
波の速度は振動数と波長から求められる関係にある。これは波動の分野では頻出だからしっかりと抑えておいてほしい。
また、グラフも横軸が二種類あることに気を付けておこう。
2 波の性質
ここまで基礎的な要素を説明しましたが、ここからは波特有の性質を紹介しましょう。
光や音、電磁波は波の性質を持ちます。つまりこれから示す3つの性質を持っているのです。
2-1 反射
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1つ目は、反射です。
生活の中では光が鏡で反射する、音が壁に当たって反射するなどが身近でしょう。そのように何かに衝突して戻ってくる反射の性質が波にはあります。
この反射にも種類があるのです。自由端反射と固定端反射といいます。ここでいう端は反射する部分(壁など)に接している波の部分です。自由端では壁に当たっている部分の波の位相(y方向の値)も変化して反射します。対して固定端では壁に接する部分の位相は動かずに反射するのです。
このような差があるため、自由端反射では、入射した位相と反射した位相の正負は同じになり、対して固定端反射では位相の正負は逆転します。
反射波ですが、壁の先まで波が続いていると仮定すれば考えやすいでしょう。自由端反射では仮定した波を折り返し、固定端反射ではそれをさらに正負逆転させれば求められます。
2-2 重ね合わせ
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2つ目は、波の重ね合わせです。重ね合わせの原理ともいわれます。
波は山脈のように山と谷の部分が連続している形をしていますね。ここで、逆方向から別の波が来るとしましょう。この2つの波はぶつからず重なります。その時の、合成波のy方向の変位(位相)は、この2つの位相の和となるのです。
そのため、両方の波の位相が正の場合はさらに山は大きくなり、それぞれ符号が異なれば打ち消しあい、どちらもy=0のときならば合成波でも0となります。
波は一定の周期、波長、速度で波源より発せられます。同じ波形の波を発生させる波源が2つあり、同じように逆向きに進んで重なりあうと、それらの合成波も一定に現れます。
特に、この波を定常波といいます。このとき、合成波において常に山となる部分とy=0となる部分が生じるのです。それを特に腹と節といいます。
ここで、腹と腹、ないし節と節の感覚はλ/2となります。
ちなみに、先ほどの図では、定常波ではありませんがy=0の点が重なり合って合成波もy=0となっている点が見られます。このように節、または腹は見つけやすいためこれを取っ掛かりに合成波(定常波)を考えるとよいでしょう。
また、波の反射波とも重ね合わせは可能です。反射波は入射波と速度、波長、振動数が同様で向きが異なるだけのため、定常波が起きる最もポピュラーな状況です。
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