化学物質の状態・構成・変化理科

溶解度を利用した物質の精製法「再結晶」について元塾講師が解説

よぉ、桜木建二だ。今回も溶液に関係するキーワードについて勉強していくぞ。

溶解度の差を利用して純物質を結晶として取り出す再結晶は、混合物の分離に広く用いられるメジャーな方法だ。

原理から演習問題の解き方まで、化学に詳しいライターAyumiと一緒に解説していくぞ。

解説/桜木建二

「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。

Ayumi05

ライター/Ayumi

理系出身の元塾講師。わかるから面白い、面白いからもっと知りたくなるのが化学!まずは身近な例を使って楽しみながら考えさせることで、多くの生徒を志望校合格に導いた。

1.再結晶とは

image by iStockphoto

前回飽和水溶液について解説をした際、少し再結晶についても触れましたよね。今回はもう少し詳しく原理や方法などにスポットを当てていきたいと思います。

飽和水溶液溶解度溶質といったキーワードについて十分理解できたよ!という人に向けて、解説を進めていきますね。もし途中でわからないことが出てきたら、その都度確認することが大切ですよ。

1-1.溶解度の理解が再結晶の原理のカギ

再結晶とは、一言でいえば溶解度の違いを利用した精製方法です。物質ごとに特定の溶媒・温度における溶解度は異なります。それを利用することで、混合物を分離することが可能になるのです。

一般的に固体物質の溶解度は温度が高くなればなるほど大きくなります。つまり、温度を上げることで溶解することのできる溶質の量は増え、より高い濃度の溶液を作ることができるようになるということです。

その反対に、温度を下げた場合についても考えてみましょう。温度が下がれば溶液中に溶け込むことのできる溶質の量は減少してしまいます。するとどうなるかわかりますか?

no-img2″>
 <figcaption class=桜木建二

溶けて液状でいることはできなくなるということだよな。つまり…、元の結晶として出てきてしまうということだ!

その通りです!温度を下げたことで、溶解度を上回る量の溶質は結晶として析出します。これが再結晶の原理です。

1-2.再結晶を行う目的

では、再結晶によってどのようなことが可能になるのかを考えてみましょう。

再結晶の大きな目的は固体の純物質を分離させて得ることです。

ある特定の物質が溶け込んでいる溶液があったとしましょう。ここから溶質のみを取り出したい場合、溶質そのものを取り出すか、溶媒を取り除くかの2つのパターンが考えられますね。溶解度を利用する再結晶はこの前者にあたります。

これは複数の物質が溶け込んでいる場合にも有効です。溶媒のみを取り除く場合、複数の物質はそのまま混合物として残ってしまう可能性が考えられますよね。再結晶の場合、物質によって異なる溶解度を利用するので、特定の物質のみを結晶として分離することができるのです。

固体同士が複数混ざり合う物質の場合でも、この再結晶による分離を繰り返せばより純度の高い目的物質を得ることもできますよ。

次のページを読む
1 2 3 4
Share:
Ayumi05