3分で簡単「グルカゴン」!血糖値調節に重要な役割を果たす重要ホルモンを現役講師がわかりやすく解説!
グリコーゲン分解→血糖値上昇
肝臓には、普段摂りすぎた必要以上の糖分(グルコース)を蓄えるというはたらきがあります。グルコースは、グリコーゲンという多糖類の形で貯蔵され、血糖値が低くなった時にはこれを分解することでグルコースの量を増やすのです。グルカゴンは、このグリコーゲンの分解を促すホルモン。低血糖状態は動物にとって危機的な状況ですので、少しでも血糖値を維持できるよう、精巧に調節されています。
糖新生→血糖値上昇
グリコーゲンの分解以外にもう一つ、血糖値を上げる手段があります。それが、糖新生という仕組みです。通常、細胞に取り入れられたグルコースは、ピルビン酸や乳酸などの物質に代謝されます。その過程でできるATPをさまざまな活動のエネルギー源としますが、糖新生では逆に、ピルビン酸や乳酸などからグルコースをつくるんです。
また、極端な飢餓状態の場合には筋肉などに含まれるアミノ酸が分解され、できたアミノ酸を材料としてグルコースをつくります。これらのように、糖以外の物質から新しく糖を生み出す仕組みが糖新生。グルカゴンはこの糖新生も促進します。
血糖値調節に関わるホルモンたち
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体内の血糖値をちょうどいい量に保つため、私たちのからだでは血糖値を上げるホルモンや、血糖値を下げるホルモンが常にバランスよくはたらいています。血糖値を上げるグルカゴンのほかには、どんなホルモンがあるのでしょうか?
血糖値を上昇させるホルモンはたくさんある
正常な血糖値はおおむね100mg/dL(=100mlあたり100mg)。いつ餌が手に入るかわからない自然界では、血糖が足りなくなる心配が常につきまといます。血糖の不足は脳にダメージを与え、めまいや頭痛、ひどいと昏睡状態に陥ってしまうこともあるんです。
激しい運動や空腹状態による低血糖を避けるため、からだにはグルカゴン以外にも血糖値を上昇させるホルモンが複数備わっています。例えば、副腎の髄質から分泌されるホルモンであるアドレナリンや、副腎の皮質から分泌されるコルチゾール、脳下垂体から分泌される成長ホルモンなどです。
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血糖値を下降させるホルモンはほぼ一種類
一方、食後などに上がりすぎた血糖値を下げるはたらきをするホルモンは、同じく膵臓のランゲルハンス島にあるB細胞から分泌されるインスリンが、ほぼ唯一の存在です。
とはいえ、低血糖状態が起こりがちな野生動物とちがい、飢えから遠い生活をする人間では、血糖値が高すぎる場合のほうが多いのが現実。食事して血糖値が上がるたびにインスリンが分泌され、過剰なグルコースを肝臓でグリコーゲンにしますが、何らかの原因でインスリンの分泌が低下したり、インスリンが効きにくくなってしまうことがあります。これが、現代人を悩ませる糖尿病。高血糖は末梢神経や血管にダメージを与え、数々の合併症を引き起こします。
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