
「ドップラー効果」を原理から例題まで詳しく理系学生ライターがわかりやすく解説!

電車に乗っているときに聞こえる踏切の音や、通り過ぎていく救急車のサイレン音が、変に聞こえたことがあるだろう。それがドップラー効果だ。
音源や、それを聞く人が動いていると発生する。
今回は、物理が得意なライター、ユッキーと一緒に解説する。

解説/桜木建二
「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。

ライター/ユッキー
大学で建築を専攻している学生ライター。受験勉強の際に学んだ物理の知識を活かして説明する。
1 ドップラー効果とは

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ドップラー効果とは、観測する波の振動数が、波源の振動数と異なってしまう現象のことをいいます。
最もイメージしやすいのは、救急車やパトカーのサイレンでしょう。救急車がサイレンを鳴らしながら走っていくと、サイレンの音の高さが変わっていくように聞こえますよね。これは、ドップラー効果により人の耳に届く音の振動数が変化し、音の高さが変わって聞こえるためです。
1-1 ドップラー効果の原理
救急車のサイレンはピーポーピーポーと同じ音を出していますね。しかし、救急車が走り、通りすぎると音の高さは変化して聞こえます。つまり、観測者(人)と波源(救急車)の動きの影響でドップラー効果は起こるのです。
より詳しく言えば、観測者が動くのか波源が動くのか、遠ざかるのか近づくのかによって観測者に届く波の振動数、波長が変わることでドップラー効果は発生します。
1-2 どうして動くと音の高さが変わるのか

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もう少し詳しく説明していきましょう。観測者が動く場合と波源が動く場合ではどう異なるのでしょうか。
観測者が動くとすると、観測者が波に出会う数(振動数)が変わります。波源から遠ざかるように動くと数は減り、近くように動くと増えるのです。
対して、波源が動くとすることを考えましょう。波は波源から円状に発生しますね。波源が動くと、円が中心を変えながら発生していきます。波源が進む先では波と波の間隔(波長)が短くなり、反対に後方では長くなるのです。

ドップラー効果は、観測する側や波の波源が動くことで、観測者に届く振動数が異なってしまうことだ。
音の場合、音の高さとなって表れてくるんだ。
2 ドップラー効果の公式

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ドップラー効果を考慮した振動数fは上記の通りです。先に説明したように、観測者と波源の速度によって変化します。
波の速度、波長、振動数の関係式
を元に導出されるのです。
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