
【物理】電流と磁界が受ける力の関係について理系大学院生が5分でわかりやすく解説

磁界とは、磁力が及ぼす範囲だ。この磁界と電流の関係は、右ねじの法則という法則から説明される。そして、右ねじの法則からフレミングの左手の法則という、電流と磁界が受ける力について説明された法則につながってくるんだ。
高校、大学、大学院と電気を専攻してきたライターさとるめしと一緒に解説していくぞ。

解説/桜木建二
「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。

ライター/さとるめし
工業高校電気科卒、大学、大学院と電気工学を専攻している現役大学院生。「電気はよくわからない…」と言う友人や知人に、どうすればわかりやすく電気について理解してもらえるか、日々考えながら過ごしている。
電流と磁界について

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電流と磁界、それぞれの言葉からどんな関係があるのかすぐにイメージできる人は、なかなかいないと思います。そもそも、電流はともかく磁界って何?という方も多いはず。まずは、電流と磁界についておさらいしていきましょう。
1. 電流とは?

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電流とは、電荷が集まった存在です。電荷にはプラスとマイナスの極性があるため、この極性に引っ張られる形で電流が流れていきます。電流という大きな存在でとらえるとただの電気の流れですが、小さな規模でみると電荷という小さな存在が大量に移動することで、電流になっているのです。
なお、電流の流れる方向は電圧のプラスからマイナスですが、電荷の移動はプラス電荷が電圧のプラスからマイナス、マイナス電荷が電圧のマイナスからプラスになります。
電圧についても教えて!
電流を押し流す存在である電圧は、電界によって発生します。電界には勾配があり、この勾配が電圧(電位)となるのです。電界と磁界にも、密接な関係があるといえます。

電流の流れる向きは今後大事になってくる。電流が出てきたら、まずはどの向きに流れているのか要チェックだ。
2. 磁界とは?

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磁界は、磁力を及ぼす範囲のことです。磁力とは、磁石のような力をイメージしてください。磁石にはN極とS極という磁極がありますが、磁力はN極から出てS極に戻る力です。例えば、磁石から少しだけ離したところに方位磁針を置くと、方位磁針は東西南北ではなく磁力の向きを指し示します。これは、磁針が磁界の中に置かれることによって磁力の影響を受けるためです。磁界は、磁石でなくとも磁力を持つ物質であれば必ず存在します。
そしてこの磁力を線で描いたものが、磁力線です。磁力線は、磁石の周りに砂鉄を置くと見ることができるので、試してみると面白いかもしれませんね。
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