
勤勉さと地道な努力が成功の道すじをつくる
ベンジャミン・フランクリンの幼少期は決して裕福とは言えず、教育を受けたのも小学校まで。彼自身も大家族のなかで、小さいころから自立することを強く意識して育ちました。12才で入った印刷業界では下っ端の見習い印刷工として、地道に技術を磨いていきます。
植民地時代のアメリカは、イギリスの支配下にあり、植民者の境遇も恵まれたものではありませんでした。アメリカが国家として成長していく過程で、ベンジャミン・フランクリンの立身出世は「理想的なアメリカ人」として典型化されていきます。
「13の徳目」をまとめて日々の習慣とする
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『自伝』にてフランクリンは、職を転々とするなかでも必ず自分の成長につながることを発見。時間を無駄にせず有意義に活用する生き方は、彼を有名にした「13の徳目」のなかにもしっかりと反映されていきます。
彼は、自分が仕事や生活のなかで学んだことを「13の徳目」としてリストアップ。毎週1つの徳目をピックアップし、一週間それを実行することに専念するようになります。それを1年に4回繰り返して「13の徳目」を習慣化することを課題にしました。
13の徳目の概要
【節制】食べ過ぎ、飲み過ぎを慎む
【沈黙】自分や他人の利益にならない無駄口は慎む
【規律】整理整頓、スケジュール管理をしっかりする
【決断】いちどやると決めたことは必ず実行する
【節約】意味もなくお金を浪費しない
【勤勉】時間を有意義に活用する
【誠実】人をだますことなく、公正な立場にたつ
【正義】他人に不利益を与えない
【中庸】バランス感覚を大切にし、怒ることを慎む
【平静】ささいなことに心を乱さない
【純潔】性交は子作りのためにのみ行う
【謙遜】イエスとソクラテスを見習う

ベンジャミン・フランクリンは究極のまじめ人間のように思われるが文章はユーモアにあふれていて親しみやすい。また、趣味もたくさんあり、あらゆることに研究熱心だった。知的好奇心をみたす時間をつくるためにストイックな生活にチャレンジしたとも言える。
ペンシルベニア植民地のために働いた「ベンジャミン・フランクリン」
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ベンジャミン・フランクリンは印刷業を営む事業家として成功します。しかし繁盛していた印刷業をたたむことを決断。ペンシルベニア植民地の公職に専念するようになります。
ペンシルベニア大学の前身となるカレッジを創設
ベンジャミン・フランクリンが創設したのがフィラデルフィア・アカデミー・アンド・カレッジ。現在のペンシルベニア大学の前身となる教育研究機関です。このとき創立に尽力した人には、 独立宣言の9人の署名者および合衆国憲法の11人の署名者が含まれていました。
このカレッジは、他の大学と大きく異なる点が。それが実学教育に力を入れたことです。通常の古典と神学だけではなく、商業や公務に必要とされる実学教育がカリキュラムにもりこまれました。まさにフランクリンのキャリアを反映させた教育が展開されたと言えます。