3分で簡単にわかる!「バソプレシン」ってどんなホルモン?作用と働きを現役講師がわかりやすく解説!
今回は、生物のからだに詳しい現役講師のオノヅカユウを招いたぞ。
ライター/小野塚ユウ
生物学を中心に幅広く講義をする理系現役講師。大学時代の長い研究生活で得た知識をもとに日々奮闘中。「楽しくわかりやすい科学の授業」が目標。
バソプレシンとはどんなホルモン?
By Fvasconcellos – 投稿者自身による作品, パブリック・ドメイン, Link
バソプレシン(またはバソプレッシン)は、脳下垂体の後葉から分泌されるホルモン。9個のアミノ酸がつながってできているペプチドホルモンの一種です。ヒトだけでなく多くの動物の体内から見つかっていますが、ヒト以外の動物のバソプレシンは9個のアミノ酸のうちの一部がヒトのものと異なっていることがあります。
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超重要な内分泌器官「脳下垂体」とは?
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ホルモンについて知るのであれば、脳下垂体について学ばないわけにはいきません。脳下垂体(または下垂体)は、脳の下に存在するとても小さな器官。間脳の視床下部から伸びた下垂体柄にくっついています。その大きさは小指の先ほどしかありませんが、いくつもの重要なホルモンにかかわるなくてはならない器官です。
ヒトの小さな脳下垂体は、さらに「前葉」と「後葉」に分けることができます。前葉と後葉は分泌するホルモンの種類が異なっているんです。前述の通り、バソプレシンは後葉から分泌されるホルモン。バソプレシンのほかにも、近年注目が高まっているオキシトシンというホルモンも脳下垂体後葉から分泌されます。
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バソプレシンは分泌される場所とつくられる場所が違う?
じつはバソプレシンやオキシトシンは、脳下垂体後葉から分泌されますが、そのホルモンをつくっている(合成している)のは脳下垂体後葉ではありません。
脳下垂体後葉からバソプレシンを分泌している細胞(神経分泌細胞)は、視床下部から長い細胞を伸ばし、脳下垂体後葉までつながっています。バソプレシンやオキシトシンが合成されているのは、場所としては視床下部にあたり、合成されたホルモンは長い細胞の中を通って脳下垂体後葉から分泌されているのです。脳下垂体後葉まで届けられたホルモンは、脳下垂体後葉内部を通る血管に放出され、血流にのって体をめぐります。
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