溶液の濃さには限界がある!温度によって変化する「溶解度」を元塾講師がわかりやすく解説
3.溶解度をグラフで考える
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グラフの縦軸が水100gに溶ける溶質の質量g、横軸が溶液の温度を示しています。ここで出てくる物質名は中学高校レベルでは不要のものもあるので、参考程度に見ていきましょう。
オレンジや緑は温度が上がるにつれて溶解する溶質の量も増えていく場合を示しています。これが一般的な溶質における溶解度の変化と考えておくといいでしょう。
しかしピンクのように、温度が上がっても溶解度に大きな変化が見られないものもありますね。塩化ナトリウム NaCl はその代表です。
青のグラフのようにある温度を境に溶解度が変化するもの、水色のグラフのように温度が上がると溶解度は低くなるもの、物質によって様々なのがわかりますね。
その通り!溶液の温度に応じて、溶ける溶質の量の限界が変わる。つまり、溶液の濃度にも限界があり、それは温度によっても変化するということがわかりますね。
では、これを実際の生活の中で実感できる例を見ていきましょう。
4.実生活に関係する溶解度
化学を楽しく理解するには身近な例で考えるのが一番ですよね。今回は3つの例で溶解度について考えてみましょう。
4-1.スポーツ飲料の作り方で溶解度を理解しよう
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自分で粉のスポーツ飲料を溶かして作ったときのことを思い出してみましょう。
すぐ飲みたいからといって粉のスポーツ飲料を冷たい水に溶かしたら上手く溶けなくて、粉が残ってしまったことはありませんか?濃い味にしようと水を減らしたら、飲んだときに粉っぽさを感じた人もいるかもしれませんね。
これが知らずのうちに溶解度を理解するヒントになっているのです。
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