物理物理学・力学理科

仕事とエネルギーそして保存力を理系ライターがわかりやすく解説

よぉ、桜木建二だ。エネルギーと仕事の違いはわかるかな?
仕事をすればエネルギーが増減するということなんだが、逆に言えばエネルギーを使うと仕事をさせることができる、ともいえるな。

エネルギーと仕事という概念を理系ライターのタッケさんと一緒に解説してゆくぞ!

解説/桜木建二

「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。

ライター/タッケ

物理学全般に興味をもつ理系ライター。理学の博士号を持つ。専門は物性物理関係。高校で物理を教えていたという一面も持つ。ところで保存力って何なのか?ここで少し解説する。

エネルギー

image by iStockphoto

世の中のエネルギーにはいろいろあって、熱、電気、化学、光、核、位置、運動などがあります。これらのエネルギーは従来は別々だと考えられていたこともありました。しかし、現在ではこれらのエネルギーは姿を変えただけでその本質は同じだということがわかっています。

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エネルギーといってもいろいろな形態があるのだな。それぞれは変換可能なんだ。

そして、エネルギーは最終的には熱エネルギーになるんだな。
例えば、ガソリンを燃やして車が走る。つまり化学エネルギーが運動エネルギーに変化し、そして車が止まると熱エネルギーとして逃げていくわけだ。

運動エネルギー

運動エネルギーから解説していきましょう。
運動エネルギーについては物理に興味がある皆さんにはおなじみだと思いますが、なぜ運動エネルギーの前に係数1/2がつくのでしょうか。みなさんはどう思われますか?

ニュートンの運動の第2法則はわかりますね。加速度 a 、力 F、質量 m とします。そうすると、

ma = F

です。これを変形していきましょう。物体が x だけ移動した場合、初速度 Vo が速度 V になったとします。
ここで、よく知られている運動の式、V2 - Vo2 = 2ax を ma = F へ代入していきましょう。

image by Study-Z編集部

そうすると、左辺にあらわれる式から運動エネルギーを定義します。

つまり、運動エネルギーは、

image by Study-Z編集部

ですね。

これは物理を学習している人にとっては、おなじみですね。ここで1/2がつきました。

また、運動方程式 ma = F に V = Vo + at を代入することで運動量 mv に関する関係式を得ることができます。

このように運動方程式を適当に変形すると運動量、運動エネルギーが導かれるのですね。これらの経緯は、過去「活力論争」として科学史でも有名な事柄です。

このあたりのことは次の記事も参考にしてください。

\次のページで「仕事と運動エネルギー」を解説!/

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