仕事をすればエネルギーが増減するということなのですが、逆に言えばエネルギーを使うと仕事をさせることができる、ともいえるな。
エネルギーと仕事という概念を理系ライターのタッケさんと一緒に解説してゆくぞ!
ライター/タッケ
物理学全般に興味をもつ理系ライター。理学の博士号を持つ。専門は物性物理関係。高校で物理を教えていたという一面も持つ。ところで保存力って何なのか?ここで少し解説する。
エネルギー
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世の中のエネルギーにはいろいろあって、熱、電気、化学、光、核、位置、運動などがあります。これらのエネルギーは従来は別々だと考えられていたこともありました。しかし、現在ではこれらのエネルギーは姿を変えただけでその本質は同じだということがわかっています。
運動エネルギー
運動エネルギーから解説していきましょう。
運動エネルギーについては物理に興味がある皆さんにはおなじみだと思いますが、なぜ運動エネルギーの前に係数1/2がつくのでしょうか。みなさんはどう思われますか?
ニュートンの運動の第2法則はわかりますね。加速度 a 、力 F、質量 m とします。そうすると、
ma = F
です。これを変形していきましょう。物体が x だけ移動した場合、初速度 Vo が速度 V になったとします。
ここで、よく知られている運動の式、V2 - Vo2 = 2ax を ma = F へ代入していきましょう。
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そうすると、左辺にあらわれる式から運動エネルギーを定義します。
つまり、運動エネルギーは、
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ですね。
これは物理を学習している人にとっては、おなじみですね。ここで1/2がつきました。
また、運動方程式 ma = F に V = Vo + at を代入することで運動量 mv に関する関係式を得ることができます。
このように運動方程式を適当に変形すると運動量、運動エネルギーが導かれるのですね。これらの経緯は、過去「活力論争」として科学史でも有名な事柄です。
このあたりのことは次の記事も参考にしてください。
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