入試でよく出題されるのがこの単振動です。なかなか難しいと感じている人も多いんじゃないかな?
でも基本をしっかり押さえれば大丈夫です。
今日も物理系ライターのタッケさんと解説します。

ライター/タッケ

物理学全般に興味をもつ理系ライター。理学の博士号を持つ。専門は物性物理関係。高校で物理を教えていたという一面も持つ。1900年くらいから現代物理学は急速に発展し、古典力学を修正してきた。この勢いで発展したら100年度はどうなっているのか。

単振動とは

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単振動とはどのような運動かご存知ですか。普段の生活ではまず目にしないし、聞くこともない言葉ですね。しかし、物理の世界では重要な語句なのです。

たとえば、バネにおもりをつけて引っ張って離します。そうすると、バネはびよーんびよーんと運動(振動)しますね。これが単振動という運動です。この運動の特徴は、振動する物体の速度・加速度が一定ではなく常に変化していることですね。

普通に考えると、この振動する運動状態を解析をするのは大変でしょう。なにしろ、速度も加速度も一定ではないのです。したがってニュートン運動の第2法則を適用するのはとても難しそうですね。

しかし、等速円運動を利用することで簡単に解くことができるのです。等速円運動については以下の記事が参考になります。

ちなみに単振動は、フックの法則や波動とも密接に関係しています。以下の記事も参考にしてください。

等速円運動と単振動

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単振動の理解には等速円運動の知識と理解が不可欠です。もし、まだ怪しいところがあるのなら参考書・教科書や先ほどあげた等速円運動に関する記事などで、もう一度復習してから進んでください。

それでは、等速円運動と単振動の関係をみていきましょう。

等速円運動はあくまで等速で円周上を回転するという運動です。これとバネがいったりきたりする運動とは似ても似つかないものですね。しかし、見方を変えると等速円運動を単振動の理解に使えるのです。

次の図を見てください。

\次のページで「単振動の変位」を解説!/

image by Study-Z編集部

等速円運動している物体に横から光を当てたと想像します。そうすると壁(x軸とします)に影が映りますね。数学で言うところの射影です。この影の動きを考えて見ることにしましょう。

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等速円運動は反時計回りで、角速度はωです。簡単のために出発点は原点O(図の赤玉 0 の位置)からとします。

図の右にあるXの壁では、赤0→オレンジ1→黄色2→薄緑3→緑4→水色5→青6→紺7→赤8と上下運動しているのがわかりますか?実は、これが単振動の動きそのものなのです。これがバネの振動と一致することは後で詳述します。

単振動の変位

単振動の変位

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それでは、単振動の変位について定式化していきます。

図をご覧ください。スタートしてから t 秒後、回転角θ、角速度ωとします。また、回転の半径を r ではなく、Aとしていることに注意してください。
そうすると θ = ωt です。図のx方向だけを考えるわけですから、Aのsin成分なので、

X=A sinθ     θ = ωt を代入して
  =A sin ωt

となります。したがって

 X =A sin ωt

単振動の速度v

単振動の速度v

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単振動の速さはめまぐるしく変化しますが、等速円運動の速さは一定です。(速度は単振動、等速円運動ともに変化します)このときの等速円運動の速さを V としましょう。ここで V = Aω ですがよろしいですか?(円運動の半径がAです)

そうすると、図よりx方向の  Vx は三角形のcos成分をとって、

Vx=Aω cos ωt

となることがわかります。

\次のページで「単振動の加速度 a と復元力」を解説!/

単振動の加速度 a と復元力

単振動の加速度 a と復元力

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いよいよ単振動の加速度です。等速円運動の加速度 a は a = Vω でした。ここでは V = Aω を代入しておきましょう。ゆえに、a = Vω =Aω2 となりますね。

このとき、加速度の x 成分の大きさ axは sin成分を取るので、

ax = A2ω sin ω

となります。単振動はx軸上での直線運動です。よって、その方向を+-を使って表現できます。また、単振動の加速度の向きは、図からもわかるように変位Xと常に逆ですね。したがって、方向性を含めて

ax =-Aω2 sin ωt

とすることができます。
ここで X = A sin ωt だったのを思い出してください。これを代入しましょう。

ax =-Aω2 sin ωt
     =-ω2x

この運動は加速度運動ですから、ニュートン運動の第2法則が成り立ちます。したがって、単振動の力 F を次式よりもとめましょう。

F = ma
F = -mω2x

これらの式からわかることで注意すべ

フックの法則との関連

ここまで見てきたように、単振動の力は復元力で、

F = -mω2x

ですね。このとき参考にしている円運動が等速であるなら角速度 ω は一定の値で変化しません。また、当然質量 m も変化しませんね。ということは、2 も変化せず一定値とみなせます。こういう値のことを定数というのですね。つまり、ここで mω2  を k (定数)としてしまっても問題はありません。そうすると、

F = -kx 

となるのがおわかりでしょう。これは・・・フックの法則そのものです。
-がついていますが、フックの法則も方向性を考えると-がつきます。つまり、バネ定数 k のバネは x 引き伸ばすと、復元力 F=-kx を受けるため「単振動」するのです。

逆に言えば、F=-kx で示される力を受ける物体は全て「単振動」するのだといえます。ある物体の運動が単振動かどうかを確かめたいときはその物体にはたらく合力が、 F=-kx で示されるかどうかを見ればよいのです。

このとき、

2 = k

ですね。さらに、ω=2π/T でしたから、振動周期 T を次で求めてみましょう。

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言い忘れましたが、この ω を単振動では角振動数と呼びます。
なぜなら

ω=2π/T    T=1/f より
ω =2π f

となり、角度を示す2πが振動数 f に乗じられているからですね。

単振動の式

では単振動の式についてまとめましょう。Vx とか ax の添え字の x は省略します。

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\次のページで「微分することで簡単に!」を解説!/

微分することで簡単に!

微分を使えるのなら式はもっと簡単に導出できます。

X を時間微分して V を、V を時間微分して a を出すのです。
三角関数の微分を理解している人はぜひやって見ましょう。

これで、単振動の式を忘れても10秒もあれば導出できますね。

最後にひとつ、単振動の周期の式を見るとわかることですが、バネが単振動周期 T は、おもりの質量 m とバネ定数 k だけで決まりますね?
すなわち、月面でも地球上でも無重量の宇宙船の中でも同じ周期で振動するのです。

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物理物理学・力学理科

「単振動」を克服しよう! 理系ライターがお手伝い



入試でよく出題されるのがこの単振動です。なかなか難しいと感じている人も多いんじゃないかな?
でも基本をしっかり押さえれば大丈夫です。
今日も物理系ライターのタッケさんと解説します。

ライター/タッケ

物理学全般に興味をもつ理系ライター。理学の博士号を持つ。専門は物性物理関係。高校で物理を教えていたという一面も持つ。1900年くらいから現代物理学は急速に発展し、古典力学を修正してきた。この勢いで発展したら100年度はどうなっているのか。

単振動とは

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単振動とはどのような運動かご存知ですか。普段の生活ではまず目にしないし、聞くこともない言葉ですね。しかし、物理の世界では重要な語句なのです。

たとえば、バネにおもりをつけて引っ張って離します。そうすると、バネはびよーんびよーんと運動(振動)しますね。これが単振動という運動です。この運動の特徴は、振動する物体の速度・加速度が一定ではなく常に変化していることですね。

普通に考えると、この振動する運動状態を解析をするのは大変でしょう。なにしろ、速度も加速度も一定ではないのです。したがってニュートン運動の第2法則を適用するのはとても難しそうですね。

しかし、等速円運動を利用することで簡単に解くことができるのです。等速円運動については以下の記事が参考になります。

ちなみに単振動は、フックの法則や波動とも密接に関係しています。以下の記事も参考にしてください。

等速円運動と単振動

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単振動の理解には等速円運動の知識と理解が不可欠です。もし、まだ怪しいところがあるのなら参考書・教科書や先ほどあげた等速円運動に関する記事などで、もう一度復習してから進んでください。

それでは、等速円運動と単振動の関係をみていきましょう。

等速円運動はあくまで等速で円周上を回転するという運動です。これとバネがいったりきたりする運動とは似ても似つかないものですね。しかし、見方を変えると等速円運動を単振動の理解に使えるのです。

次の図を見てください。

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