この記事では英語の熟語「both A and B」について解説する。

端的に言えばこの熟語の意味は「AとBの両方」ですが、「not」が付いた時の和訳には注意が必要です。

個別指導塾で受験生の指導経験が豊富なライターさとみあゆを呼んです。一緒に「both A and B」の意味や例文を見ていきます。

ライター/さとみあゆ

個別指導塾で多くの受験生を指導してきた経験を持つ。そのノウハウを駆使し、受験生だけでなく社会人にも「使える英語」を伝授する。

熟語「both A and B」の意味は?

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「both A and B」は、相関接続詞と呼ばれています。これは、接続詞とその他の単語が一対になって接続詞のような働きをするもので、「not only A but also B」や「either A or B」なども相関接続詞です。英検やTOEICなどの英語の技能を図る検定試験などにもよく出題されるので、意味や使い方について理解しておくようにしましょう。

また肯定文の場合は、「AとBの両方」という意味になりますが、否定文の中で使われると、部分否定の意味になるので要注意です。

ここでは、基本的な意味をしっかり理解することで、様々な場面で応用できる力を養います。また類似する「either A or B」、「neither A nor B」などとまとめて覚えておくことで、しっかり知識を定着させましょう。

意味その1 「AとBの両方」

AとBの二つの選択肢があり、どちらか一方を選ぶことが難しい時などに使う熟語です。

例えば、「野球とサッカーのどちらも観戦したい」、「ピアノもギターも弾くことができる」などという時に用いることができます。

ここで覚えておきたいのは、「both A and B」は対象となるものが2つの時に使われるという点です。つまり3つ以上のものには使用することができません。

対象が2つだということが明白な時は、「and」を使わずに表現することもできます。3つ目の例文はparentsと複数形になっていることから両親を指すことがわかるため、「and」を使用する必要はないというわけです。

He knows both English and French.
彼は英語とフランス語の両方ともできる。

She is both kind and intelligent.
彼女は親切でもあり、聡明でもある。

I like both my parents.
私は両親が好きだ。

意味その2 「(notが前に付いて)AとBの両方というわけではない(どちらか一方)」

「He didn't play both soccer and baseball.」という文があれば、「彼はサッカーと野球のどちらもやらなかった」と訳してしまう人もいるのではないでしょうか。

でも実は、英語のネイティブがこの文を見たら、サッカーか野球のどちらかをやったのだと解釈します。つまりこの文は「AとBの両方~ない」という全部否定ではなく、「AとBの両方~というわけではない」、「AかBのどちらか一方が~だ」という部分否定の意味になるよう訳さなくてはなりません。

次に挙げる例文と日本語訳を見て、部分否定に訳す感覚を掴むようにしましょう。

He doesn't know both English and French.
彼は英語とフランス語の両方ができるというわけではない。(どちらか一方だけができる)

We don't have both boys and girls in each group.
グループは男と女の混合というわけではない。(どちらか一方だけがいる)

I don't like both my parents.
私は両親がどちらも好きというわけではない。(どちらか一方だけが好き)

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熟語「both A and B」の言い換えや、似た表現は?

「both A and B」には、パターン化した言い換えがあるわけではありませんが、似た意味を持つ熟語としては「not only A but (also) B」が挙げられます。「AだけでなくBも」という意味になるので、「both A and B」と全く同じというわけではありません。

また、混同しやすい表現として「either A or B」や「neither A nor B」があります。これらはすべて相関接続詞なので、「both A and B」と一緒にまとめて覚えておくようにしましょう。

言い換え例:「not only A but also B」を使った言い換え

「not only A but also B」を使うと、近い意味の文に言い換えることができます。しかし似ているというだけなので、言い換えに多用されているわけではありません。

ニュアンスの違いは、「not only A but also B」はBを強調したい時に用いるのに対し、「both A and B」はどちらか一方を強調するための表現ではないということを覚えておきましょう。

This bag is both good and cheap.
このカバンは、品質が良くて安い。

This bag is not only good but also cheap.
このカバンは品質が良いだけでなく安い。(安いということを強調している)

I like both music and sports.
私は音楽もスポーツも好きだ。

I like not only music but also sports.
私は音楽だけでなく、スポーツも好きだ。(スポーツが好きだということを強調している)

似た表現:「either A or B」「neither A nor B」

「either A or B」は「AかBのどちらか」という意味です。「not~either A or B」は「neither A nor B」に置き換えられ、「AもBもどちらも~ない」という全部否定になります。

つまり「both A and B」は「AとBの両方」、「either A or B」は「AかBのどちらか」、「not~both A and B」は「AとBのどちらも~というわけではない」、「neither A nor B」は「AもBもどちらも~ない」という意味です。

この4つを使い分けることで、部分否定も全部否定も表現できるので、例文を見て整理しておきましょう。

He can both read and write French.
彼はフランス語を読むことも書くこともできる。

He can either read or write French.
彼はフランス語を読むことか書くことができる。

He can not both read and write French.
彼はフランス語を読むことも書くこともできるというわけではない。

He can neither read nor write French.
彼はフランス語を読むことむ書くこともできない。

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「both A and B」や「either A or B」などが主語になる場合

「both A and B」や「either A or B」などが主語になる場合、注意すべきポイントがあります。それは、主語を複数扱いにするか単数扱いにするかという点です。

「both A and B」は基本的には複数と考えます。

「either A or B」と「neither A nor B」はBに合わせるのが原則です。

主語が複数か単数かに合わせて、正しい形の動詞を選ぶようにしましょう。

Both Tom and Mike are playing tennis.
トムとマイクはどちらもテニスをしている。

Either Tom or Mike is playing tennis.
トムとマイクのどちらかはテニスをしている。

Neither Tom nor Mike is playing tennis.
トムもマイクもテニスをしていない。

熟語「both A and B」を使いこなそう

この記事では熟語「both A and B」の使用例や、似た表現の使い分け方を説明しました。肯定文の場合は難しくはないのですが、否定文の中で使用されている時の訳し方は多くの受験生にとって盲点になっているのではないでしょうか。

また、「both A and B」が主語になった場合は、複数扱いか単数扱いかによって、次に来る動詞の形も違ってきます。小さなことのようですが、得点力アップのためには覚えておくことが大切です。

「either A or B」や「neither A nor B」など他の相関接続詞といっしょに覚えて、使いこなせる熟語の数を増やしていきましょう。

英語の勉強には洋楽の和訳サイトもおすすめです。
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英語の熟語

【英語】1分でわかる!「both A and B」の意味・使い方・例文は?専門家と学ぶ英語主要熟語

「both A and B」や「either A or B」などが主語になる場合

「both A and B」や「either A or B」などが主語になる場合、注意すべきポイントがあります。それは、主語を複数扱いにするか単数扱いにするかという点です。

「both A and B」は基本的には複数と考えます。

「either A or B」と「neither A nor B」はBに合わせるのが原則です。

主語が複数か単数かに合わせて、正しい形の動詞を選ぶようにしましょう。

Both Tom and Mike are playing tennis.
トムとマイクはどちらもテニスをしている。

Either Tom or Mike is playing tennis.
トムとマイクのどちらかはテニスをしている。

Neither Tom nor Mike is playing tennis.
トムもマイクもテニスをしていない。

熟語「both A and B」を使いこなそう

この記事では熟語「both A and B」の使用例や、似た表現の使い分け方を説明しました。肯定文の場合は難しくはないのですが、否定文の中で使用されている時の訳し方は多くの受験生にとって盲点になっているのではないでしょうか。

また、「both A and B」が主語になった場合は、複数扱いか単数扱いかによって、次に来る動詞の形も違ってきます。小さなことのようですが、得点力アップのためには覚えておくことが大切です。

「either A or B」や「neither A nor B」など他の相関接続詞といっしょに覚えて、使いこなせる熟語の数を増やしていきましょう。

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