「that」は関係代名詞や接続詞などの複数の品詞で使うことができるが、「that」が登場したときにどの品詞のなのか迷う人も多いでしょう。どの品詞なのかが判断できると文意を把握しやすくなるので、「that」を見極めるポイントを知っておくことが大切です。

10数年間、中高生に英語を指導しているライターヤマトススムと一緒に解説していきます。

ライター/ヤマトススム

10数年の学習指導の経験があり、とくに英語と国語を得意とする。これまで生徒たちを難関高校や難関大学に導いてきた。

単独で使う「that」

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「that」の品詞は5つありますが、そのうちのよく使われる4つの品詞について解説していきます。前半は単独で使われる「代名詞」と「形容詞」、後半は節をつなぐ役割のある「接続詞」と「関係代名詞」です。まずは、「代名詞」と「形容詞」から見ていきましょう。

代名詞の「that」

最初の品詞は「代名詞」で、日本語でいうと「あれ」「それ」「あの人」などです。

「代名詞」は名詞の仲間ですから、名詞が置ける場所で使うことができます。文の要素でいうと「主語」「目的語」などです。

文全体の構造から、「that」一語で主語や目的語、補語になっていれば「代名詞」と判断できますね。

主 語:That is Kawahama high school.(あれはカワハマ高校だ)

目的語:Do you call that a gentleman?(あなたはあんな人を紳士と呼ぶのですか)

形容詞の「that」

次は、「形容詞」の「that」、意味は「あの」「その」などです。離れたものを指すときや直後の名詞に以前に述べたことや周知されている内容であることを示す役割があります。

「that」が「あの」や「その」という意味で直後の名詞のみに係っているなら、「形容詞」の「that」であると判断できますよ。

なお、日本語では「連体詞」に分類されますが、英語には連体詞はないので名詞を修飾するという意味で「形容詞」に分類されています。

Is that dictionary yours.(あの辞書はあなたのものですか)

That movie was very interesting.(あの映画はとても面白かった)

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節をつなぐ「that」

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前半の単独で使う「that」に対して、後半は節をつなぐ「that」として「接続詞」と「関係代名詞」について解説していきます。それぞれの「that」の役割や文の構造を確認し、まずは「接続詞」と「関係代名詞」を把握しておきましょう。

接続詞の「that」

ここでは、接続詞の「that」を解説していきます。名詞節を導く「that」と副詞節を導く「that」がありますよ。

代表的なのは、「that S V …」のかたまりが名詞のかたまりになっている名詞節の場合です。「〜すること」と訳し文章全体の目的語になります。このときの「that」は省略されることも多いです。

副詞節には、「so that S canなど …」として「SがVできるように」の表現や「so 形容詞または副詞 that S V …」という形で「とても〜なので…だ」という表現もありますよ。

判別するポイントは、「that + S + V …」の部分が意味に過不足なく完結できているかどうかです。関係代名詞の場合は不足する語が「that」の直前に位置します。

名詞節:I hope that he win the game.(私は彼がその試合に勝つことを願う)

副詞節:She was so busy that she couldn't help me.(彼女はとても忙しかったので私を手伝うことができなかった)

関係代名詞の「that」

最後に「関係代名詞」の「that」を解説します。関係代名詞は主格と目的格で構造に違いがあるので、それぞれ見ていきましょう。ただ、今回は関係代名詞かどうかを見分ける解説なので、関係代名詞の詳しい使い方や解説は、また別のタイトルで解説します。

主格は「名詞(本来の主語)that V …」という形で、「Vする名詞」という意味になりますよ。本来「that」と「V」の間にあった主語が「that」の前にきています。

目的格の場合は「名詞(本来の目的語) that S V …」となり、意味は「SがVする名詞」です。この場合の「that」は省略されることがあります。

関係代名詞かどうかを判別するには、主格の場合は「that」のあとに主語が抜けているのでわかりやすいですね。目的格の場合は、「that」の直前の名詞が「that」の節の目的語の位置にくるべきかどうかで判断できます。

主 格:The boy that is running there is my brother.
    (そこで走っている男の子は私の弟です)
    →「that」の直後が動詞で、主語にあたる語が直前の「boy」なので「関係代名詞」

目的格:I want to drive the car that my father bought.
    (私は父が買った車を運転したい)
    →「that 主語 動詞」のうしろに「the car」があるべきなので「関係代名詞」

\次のページで「4種の「that」を見分けて、正確な文意をつかもう」を解説!/

4種の「that」を見分けて、正確な文意をつかもう

これまで、「代名詞」「形容詞」「接続詞」「関係代名詞」の4つの「that」について見てきました。まずは、単独で使われているか節をつくっているかを考えて2つに分けて、さらに分類していきましょう。

とくに「接続詞」と「関係代名詞」は迷いやすいのですが、「that」がつくる節の中の不足語が「that」の直前の名詞であれば「関係代名詞」になります。

「that」を判別するには、5文型の知識も必要です。5文型の理解に不安がある人は、5つの文型の組み立てや見分け方を復習しておくといいですね。

英語の勉強には洋楽の和訳サイトもおすすめです。
" /> 【英語】現役塾講師がthatの使い方をわかりやすく解説!さまざまな役割があるthatを見極めよう – Study-Z
英語の勉強法

【英語】現役塾講師がthatの使い方をわかりやすく解説!さまざまな役割があるthatを見極めよう

「that」は関係代名詞や接続詞などの複数の品詞で使うことができるが、「that」が登場したときにどの品詞のなのか迷う人も多いでしょう。どの品詞なのかが判断できると文意を把握しやすくなるので、「that」を見極めるポイントを知っておくことが大切です。

10数年間、中高生に英語を指導しているライターヤマトススムと一緒に解説していきます。

ライター/ヤマトススム

10数年の学習指導の経験があり、とくに英語と国語を得意とする。これまで生徒たちを難関高校や難関大学に導いてきた。

単独で使う「that」

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「that」の品詞は5つありますが、そのうちのよく使われる4つの品詞について解説していきます。前半は単独で使われる「代名詞」と「形容詞」、後半は節をつなぐ役割のある「接続詞」と「関係代名詞」です。まずは、「代名詞」と「形容詞」から見ていきましょう。

代名詞の「that」

最初の品詞は「代名詞」で、日本語でいうと「あれ」「それ」「あの人」などです。

「代名詞」は名詞の仲間ですから、名詞が置ける場所で使うことができます。文の要素でいうと「主語」「目的語」などです。

文全体の構造から、「that」一語で主語や目的語、補語になっていれば「代名詞」と判断できますね。

主 語:That is Kawahama high school.(あれはカワハマ高校だ)

目的語:Do you call that a gentleman?(あなたはあんな人を紳士と呼ぶのですか)

形容詞の「that」

次は、「形容詞」の「that」、意味は「あの」「その」などです。離れたものを指すときや直後の名詞に以前に述べたことや周知されている内容であることを示す役割があります。

「that」が「あの」や「その」という意味で直後の名詞のみに係っているなら、「形容詞」の「that」であると判断できますよ。

なお、日本語では「連体詞」に分類されますが、英語には連体詞はないので名詞を修飾するという意味で「形容詞」に分類されています。

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