化学

「蒸発・沸騰・気化」この違いって何?気になるワードを元塾講師が解説

水がグツグツと煮え、内部から泡がボコボコと沸き上がる様子を思い出す人も多いでしょう。この様子からも、沸騰は内部から気化が生じるというのがイメージできるのではないでしょうか。

液体の表面にかかる圧力よりも液体が蒸気になろうとするときの圧力(蒸気圧)が大きくなると、水分子は内部からの気化を始めます。水の表面だけでなく、内側からも沸騰が起こることで水分量は大きく減っていくでしょう。これは、蒸発による表面の気化よりも沸騰による内部から気化の方が空気中に出ていく水分子の量が多いためです。さらに加熱することでより水分子の運動が活発になり、気化反応は加速していきます。

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沸騰している鍋の中に気泡ができるのは、水の内側から気化が起こっているからなんだ。加熱するほどにブクブクと大きな泡がたくさんできて、どんどん水の量が減っていくのがわかるよな。

3-1.身近な沸騰に関わる現象

image by iStockphoto

先述したように、鍋をコンロにかけて加熱する様子が最も身近な沸騰でしょう。

料理途中の鍋を火にかけたままにしておくと、いつの間にか水分が無くなって焦げてしまうでしょう。お湯が沸いたらピーっと鳴るやかんは、ただお湯が沸いたことの合図のためだけでなく、放置して空炊きをしないための安全上の工夫になっているということですね。

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ところで…実験では沸騰石というものをよく使うよな。役割についてちゃんと理解しているか?

3-2.実験で使用する沸騰石

実験で液体を加熱する際、急な沸騰(突沸)を防ぐために用いられる沸騰石ですが、なぜそれが可能なのかを考えたことがあるでしょうか。

凹凸がないフラスコやビーカーでは気泡が発生しにくい一方で、何かの衝撃が加わると一気に沸騰し、水溶液が飛び散ってしまう可能性があります。しかし、沸騰石は沸騰する際に生じる気泡のきっかけとなってくれるのです。小さな穴が無数に開いた石や素焼きのかけらなどからできている沸騰石は、小さな気泡を持ったまま水溶液中に入ります。するとその小さな気泡をきっかけにした沸騰が始まるので、穏やかな沸騰が可能になるのです。

気化反応である蒸発と沸騰

気化は物質が液体から気体に変わる状態変化を総称した言い方であり、その中に蒸発や沸騰、昇華が含まれます。

蒸発とは物質の表面から気化が起こる現象であるのに対し、沸騰は内部からでも気化が起こる現象です。沸騰は沸点より物質の温度が高くなると起こりますが、蒸発は沸点以下でも起こりえます。水は100℃になると沸騰しはじめますが、それより低い温度でも水溜まりの水は蒸発しますよね。

一方で、昇華は固体が液体にならずに気体になる状態変化ですから、蒸発や沸騰とは分けて覚える必要がありますよ。

身近な例に当てまめれば意外と明確な違いが見えてきましたね。日常の中にある気化について、この機会に考えてみましょう。

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Ayumi05