【物理】「クーロンの法則」は電気の基本?理系大学院生が5分でわかりやすく解説!
クーロンの法則は、電気の源となる電荷の性質を表現した法則です。いわゆるミクロの世界といわれる規模の話だから、少し難しいかもしれない。ですが、クーロンの法則がわかると電磁気の世界がグッと広がる。
高校、大学、大学院と電気を専攻しているライターさとるめしと一緒に解説していきます。
ライター/さとるめし
工業高校電気科卒、大学、大学院と電気工学を専攻している現役大学院生。「電気はよくわからない…」と言う友人や知人に、どうすればわかりやすく電気について理解してもらえるか、日々考えながら過ごしている。最近のマイブームはPythonによる機械学習。
クーロンの法則とは?
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クーロンの法則とは、とても簡単に言うと電気の力について説明された法則です。ですが、急に電気の力と言われても漠然としていますよね。
電気には、源となる電荷という存在があります。この電荷という存在がたくさん集まることによって、電気となるんです。つまり、クーロンの法則とは電荷の性質について説明された法則ともいえます。
電荷とは?
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クーロンの法則は、電荷の働きについて説明した法則といえます。では、その電荷とは一体何なのでしょうか。
電荷は通常Qで表記され、一つの電荷(素電荷)eは1.60*10^(-19)Cとされています。Cは電荷の単位で、読み方はクーロンです。電荷一つ一つは正か負のエネルギーを帯びており、この二つの性質の関係を示したものが、クーロンの法則とも言えます。
具体的にどんな関係なのか、見ていきましょう。
1. 電荷が正と負の時の関係
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電荷の正と負があるとき、その二つの電荷には引き合う力が働きます。この力は通常引力と呼ばれますが、電荷の関係以外でも使われることの多い言葉ですので、馴染みがある方も多いかもしれません。
引力は、正の電荷を帯びた物体と負の電荷を帯びた物体を近づけるとお互いが近づく力のことです。下敷きをこすって、髪に近づけると髪が逆立ちますよね。これは、下敷きと髪がそれぞれ正と負の電荷を帯びているために引き合っている現象なのです。
2. 電荷が正同士・負同士の時の関係
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電荷が正と正、あるいは負と負という同じ性質を帯びた電荷を近づけた場合、お互いに離れようとする力が働きます。この力のことを斥力(せきりょく)といいますが、こちらは引力より馴染みの薄い言葉かもしれません。
斥力は、同じ性質を帯びた物体を近づけると反発する力のことです。ガラス同士やゴム同士を同じ性質に帯電させると反発する力が働きます。また、イメージとして磁石のS極同士・あるいはM極同士が離れる様子をイメージするとわかりやすいかもしれません。
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