理科環境と生物の反応生物

3分で簡単神経伝達物質「アセチルコリン」!体内での作用やレーウィの実験も現役講師がわかりやすく解説

レーウィは、カエルから取り出したばかりの2つの心臓を使った実験を行いました。心臓のうちの一方は迷走神経がつながったままの状態で、もう一方は心臓のみを摘出します。これを速やかに体液に近い水溶液(リンガー液)に浸し、しばらくは動き続ける2つの心臓を用意したのです。

迷走神経のつながった心臓の、迷走神経に電気刺激をあたえると、心臓の拍動はゆっくりになります。この、拍動が低下した心臓の中を通過したリンガー液を、迷走神経のつながっていない心臓に流すと、不思議なことに、こちらの心臓の拍動も低下しました。

シナプス間の情報伝達には「化学物質」が使われている!

この実験から、迷走神経から“なんらかの水に溶けやすい化学物質”が放出され、心筋の収縮をコントロールしていることが示唆されたのです。この場合は神経細胞から筋組織への情報伝達ですが、神経細胞間でも同様の情報伝達が行われている可能性は十分に考えられました。

この“なんらかの水に溶けやすい化学物質”がアセチルコリンであるということがわかったのは後になってから。一部の神経では電気信号が情報伝達に使われている(電気シナプス)こともわかりましたが、脊椎動物の神経細胞は基本的に神経伝達物質を使って情報伝達をしています。

そんな重要なメカニズムを解明する、歴史的な実験の一役を担ったという意味でも、アセチルコリンは神経伝達物質の代表的な存在といえるでしょう。

アセチルコリンは神経伝達物質の代表的存在

神経からの情報伝達を担う「神経伝達物質」。その中でも、特に歴史が深く、副交感神経など重要な神経系で利用されているのが、今回ご紹介したアセチルコリンです。アセチルコリンに関する実験などにも注目して覚えましょう。

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