
氷が溶けたり凍ったり…「物質の状態変化」について元塾講師がわかりやすく解説
2-5.昇華:個体から気体へ
By MarkS, CC 表示-継承 3.0, Link
この昇華(しょうか)というのは固体から気体へ、液体になることなく状態変化が起こる場合に限ります。これまでは水を例にとって考えてきましたが、昇華を代表するとっておきの物質がありますよ。それはドライアイスと防虫剤のナフタレンです。
アイスや生菓子などを買ったときにドライアイスをもらったことがあるでしょうか。ドライアイスを室内に放置すると、白い煙のようなものを出しながら消えてしまいます。実はドライアイスは二酸化炭素が固体になったものなのです。このとき周りが濡れていないことからも、ドライアイスという固体が二酸化炭素という気体に昇華してしまったということがわかるでしょう。
一方で防虫剤のナフタレンも、交換のときにはいつの間にかタブレット状の固体が無くなっているはずです。ナフタレンのような防虫剤というのは、防虫成分をクローゼットや押し入れの中に拡散させることで効果を出しています。これに昇華という現象が使われているのです。
2-6.昇華:気体から固体へ
気体から固体への状態変化も昇華といいます。あまり一般的な例がないためテストに出ることは稀ですが、昇華という言葉自体はきちんと覚えておきたいですね。
この昇華の一例では樹氷(じゅひょう)が挙げられます。
樹氷は氷点下の環境で水分が昇華したり、過冷却によって霧や雲の微水滴が樹木などに付着することによってできる氷の総称です。木の枝が樹氷で覆われると、氷の花が咲いたような幻想的な光景を楽しむことができます。
もし余裕があれば覚えておくといいですね。
名称ごとの特徴や例を覚えておこう!
物質の状態変化で大事なことは、物質の三態(固体・液体・気体)の特徴を覚えることです。
分子の並び方に注目することで、状態変化に伴う体積の変化にも気付けるでしょう。しかし物質が変わったわけではないので状態は変わっても体積は変わらないというのがポイントでしたね。
さらに各変化の過程は実際の物質を例にすることで覚えるのが楽になります。融解・凝固・蒸発・凝縮・昇華という漢字の持つイメージも覚える際のヒントになるかもしれませんね。表や図にして自分なりにまとめるのが勉強のコツですよ。