
混乱しやすい「単体 化合物 混合物」の見分け方を元塾講師がわかりやすく解説
1-3.元素記号1種類で表される物質:単体

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単体は元素記号1種類で表される純物質のことをいいます。水素 H2 や酸素 O2 、塩素 Cl2 などの 〇2 で表される気体やナトリウム Na や金 Au などの金属が代表です。
例えば酸素 O2 には O3 で表されるオゾンという同素体(同じ元素からできた単体)があります。どちらも酸素原子からなる物質ですが、性質は全く異なるものです。したがって、もし酸素とオゾンが混ざった期待があったとすればそれは単体でも純物質でもなく、混合物ということができます。余裕があれば覚えておくといいですね。
1-4.元素記号2種類以上で表される物質:化合物

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化合物は元素記号2種類以上で表される純物質です。化学物質のほとんどはこの化合物で、化学式に含まれる元素の単体とは全く異なる性質を持っています。
水 H2O は水素原子2つと酸素原子1つからできていますが、気体で単体でもある水素や酸素とは全く違った物質ですよね。同様に二酸化炭素 CO2 は炭素原子1つと酸素原子2つからできています。同じ化合物であれば構成する元素の質量比は一定であるという定比例の法則も関係しているのです。
2.名称から見分ける
混合物は海水や空気などのように化学的に見るとかなりアバウトな名称がついています。「その中には何が入っているの?(その物質を構成する成分は?)」と考えてみて、いくつか挙げられるようであれば混合物です。例えば、海水には水や塩化ナトリウムなどの塩分、ミネラル分が含まれています。
一方で純物質は、塩酸、塩化ナトリウム、グルコース、炭酸水素ナトリウムなど、薬品や試薬によくある名称が目印です。その化学式を書けるかどうか、化学式を習ったかどうかではなく、化学的に考えてみるのがいいでしょう。
純物質の中の単体は一番簡単に見分けることができます。水素、ヘリウム、酸素、のように周期表にある元素記号の名称がそのまま物質名になっているのです。この逆を言えば、それ以外はすべて化合物といえますね。
3.化学式から見分ける
そもそも混合物は化学式で表すことができません。表すとしたら、海水(水H2O・塩化ナトリウムNaCl…)のようになりますよね。このように1つの化学式で表せないものは混合物なのです。
純物質は化学式で表せるものですから、あなたが知っている化学式を書ける物質もすべて純物質といえます。
純物質の分類である単体は、水素 H2 やヘリウム Heのような1つの元素記号で表されるものです。例えば鉄 Fe や塩素 Cl2 のように2つのアルファベットで表されるものもありますが、大文字・小文字で1つの元素を表すものもあるので気をつけましょう。
化合物の場合、化学式に複数の元素記号が含まれているのでわかりやすいでしょう。仮に元素記号の名称を知らなくても、大文字が数種類含まれていれば化合物といえます。
4.練習問題
では、最後に理解度を確認するための問題を解いてみましょう。
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