
今回も、生き物のからだに詳しい現役講師兼ライターのオノヅカユウを招いた。ノルアドレナリンについてしっかり学習しよう。

ライター/小野塚ユウ
生物学を中心に幅広く講義をする理系現役講師。大学時代の長い研究生活で得た知識をもとに日々奮闘中。「楽しくわかりやすい科学の授業」が目標。
ノルアドレナリンの基礎知識
高校で習う生物学で、一度は名前を耳にする「ノルアドレナリン」。副腎から分泌されるホルモンである「アドレナリン」とよく似た名前であるため、混乱してしまう受験生も少なくありません。ノルアドレナリンとはいったいどんな物質なのでしょうか?
こちらの記事もおすすめ

3分で簡単にわかる「アドレナリン」!主な効果や作用を現役講師がわかりやすく解説!
ノルアドレナリンができるまで
By NEUROtiker – 投稿者自身による作品, パブリック・ドメイン, Link
ノルアドレナリンは、チロシンというアミノ酸からつくられる物質(アミン)の一種です。その姿かたちは、同じくアミンの仲間であるアドレナリンとよく似ています。何を隠そう、アドレナリンはノルアドレナリンの一部が変化してできた物質なんです。
私たちの体内で、チロシン(L-チロシン)というアミノ酸が酵素のはたらきを受け、ドーパ(L-ドーパ)という物質になります。ドーパは、さらに別の酵素によって「ドーパミン」となり、ドーパミンがまた別の酵素によって変化させられた物質が「ノルアドレナリン」です。そして、ノルアドレナリンがもう一段階、酵素によって手を加えられると「アドレナリン」が完成します。
チロシン(L-チロシン)
↓
ドーパ(L-ドーパ)
↓
ドーパミン
↓
ノルアドレナリン
↓
アドレナリン
\次のページで「「ノル」=「normal」」を解説!/