「前置詞」というのはおまけのような扱いを受けることが多いが、出てきたときに意味を丸暗記するだけでは十分ではない。前置詞それぞれが持つ空間的なイメージから意味が広がっていくので、これらを身につけて前置詞の理解を深めることが大切です。

10数年間、中高生に英語を指導しているライターヤマトススムと一緒に解説していきます。

ライター/ヤマトススム

10数年の学習指導の経験があり、とくに英語と国語を得意とする。これまで生徒たちを難関高校や難関大学に導いてきた。

前置詞の基本

image by iStockphoto

前置詞の具体例を見て行く前に、前置詞とはどんなものか、前置詞は他の語とどう関わっているのかなど構造や役割を理解した上で、前置詞それぞれが持つ基本イメージを確認していきましょう。

前置詞の構造と役割

「前に置く」と書いて前置詞ですが、名詞の前に置くという意味です。そのため、「前置詞 + 名詞または名詞のかたまり」という形をとります。なお、名詞のところに動名詞をおくことはできますが、不定詞の名詞的用法はおくことはできません。

 She is playing tennis in the park.(前置詞 + 名詞、彼女は公園でテニスをしているところだ)

 He drank cold tea on getting home.(前置詞 + 動名詞、彼は家に着くとすぐ冷たいお茶を飲んだ)

次に、前置詞の役割としては、名詞を修飾し形容詞の働きをする場合と名詞以外を修飾し副詞の働きをする場合があります。いずれの役割をしているのか、文全体を見てつかむようにしましょう。

 The bag on the desk is mine.(形容詞の働き、机の上のカバンは私のものです)

 There is a bag on the desk.(副詞の働き、カバンは机の上にあります)

前置詞のイメージとは?

前置詞を辞書で調べると、いくつもの項目にわたって多彩な意味が書かれていることがあります。手元の辞書で「in」や「on」を調べると17項目に分かれていました。これだけの意味をひとつひとつ覚えるよりは、中心となるイメージを身につけて広げていくほうがイメージをとらえることができますし、効率的でもあります

例えば、「in」なら「広がりのある中で」、「on」なら「ある面に接して」、「at」なら「点でとらえて」などのイメージをつかんでおくといいですね。

前置詞の用法

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前置詞はイメージから広げるとつかみやすいのですが、実際にどのように広がるのかを見ていきましょう。広がっていく具体的な例や注意すべき前置詞を紹介します。

\次のページで「主な前置詞の例」を解説!/

主な前置詞の例

よく登場する前置詞は、「in」「on」「at」「from」「to」「for」「by」「with」「of」などです。そのうち「in」を例にして、中心となるイメージとその広がりについて見ていきます。

「in」の基本イメージ:「広がりのある中で」です。どのような広がりかによって、それぞれに意味がありますよ。

 My uncle lives in Naha.(私のおじは那覇に住んでいる)空間的な広がりのある中のどこかで

 I went to the post office in the morning.(私は午前中に郵便局に行った)時間的な広がりのある中のどこかで

 I am in trouble.(私は困っている)「困った」状態の中のどこかにいる

その他の前置詞も中心となるイメージから広がっていきます。もとの意味から派生して使われるようになったはずですから、もとをたどればイメージはつながってきますね。

注意すべき前置詞

注意すべき前置詞として、「接続詞としても使える前置詞」があります。接続詞なら「接続詞 + 主語 + 動詞」と続きますが、前置詞なら「前置詞 + 名詞または名詞のかたまり」となりますね。

「接続詞としても使える前置詞」:before、after、since、asなど

 I have been sick since three days ago.(私は3日前からずっと調子が悪い)前置詞

 I have been in London since I was fifteen.(私は15歳のときからずっとロンドンに住んでいる)接続詞

前置詞の中心となるイメージから広げて意味をつなげよう

ここまで、前置詞の基本や用法を解説してきました。前置詞の構造や働きは、「前置詞 + 名詞または名詞のかたまり」であること、形容詞的または副詞的な働きをすることでした。また、前置詞には中心となるイメージがあり、そこから意味が広がっていきます。

前置詞の用法では、「in」を例に中心となるイメージから意味が広がるところを確認し、接続詞でも使える前置詞があることを解説しました。今回は「in」の例のみでしたが、その他の前置詞についても意味の広がりを確認してみてください。

英語の勉強には洋楽の和訳サイトもおすすめです。
" /> 【英語】「前置詞」について現役塾講師がわかりやすく解説!イメージでとらえて理解しよう – Study-Z
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【英語】「前置詞」について現役塾講師がわかりやすく解説!イメージでとらえて理解しよう

「前置詞」というのはおまけのような扱いを受けることが多いが、出てきたときに意味を丸暗記するだけでは十分ではない。前置詞それぞれが持つ空間的なイメージから意味が広がっていくので、これらを身につけて前置詞の理解を深めることが大切です。

10数年間、中高生に英語を指導しているライターヤマトススムと一緒に解説していきます。

ライター/ヤマトススム

10数年の学習指導の経験があり、とくに英語と国語を得意とする。これまで生徒たちを難関高校や難関大学に導いてきた。

前置詞の基本

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前置詞の具体例を見て行く前に、前置詞とはどんなものか、前置詞は他の語とどう関わっているのかなど構造や役割を理解した上で、前置詞それぞれが持つ基本イメージを確認していきましょう。

前置詞の構造と役割

「前に置く」と書いて前置詞ですが、名詞の前に置くという意味です。そのため、「前置詞 + 名詞または名詞のかたまり」という形をとります。なお、名詞のところに動名詞をおくことはできますが、不定詞の名詞的用法はおくことはできません。

 She is playing tennis in the park.(前置詞 + 名詞、彼女は公園でテニスをしているところだ)

 He drank cold tea on getting home.(前置詞 + 動名詞、彼は家に着くとすぐ冷たいお茶を飲んだ)

次に、前置詞の役割としては、名詞を修飾し形容詞の働きをする場合と名詞以外を修飾し副詞の働きをする場合があります。いずれの役割をしているのか、文全体を見てつかむようにしましょう。

 The bag on the desk is mine.(形容詞の働き、机の上のカバンは私のものです)

 There is a bag on the desk.(副詞の働き、カバンは机の上にあります)

前置詞のイメージとは?

前置詞を辞書で調べると、いくつもの項目にわたって多彩な意味が書かれていることがあります。手元の辞書で「in」や「on」を調べると17項目に分かれていました。これだけの意味をひとつひとつ覚えるよりは、中心となるイメージを身につけて広げていくほうがイメージをとらえることができますし、効率的でもあります

例えば、「in」なら「広がりのある中で」、「on」なら「ある面に接して」、「at」なら「点でとらえて」などのイメージをつかんでおくといいですね。

前置詞の用法

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前置詞はイメージから広げるとつかみやすいのですが、実際にどのように広がるのかを見ていきましょう。広がっていく具体的な例や注意すべき前置詞を紹介します。

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